夜、突然携帯が鳴った。


「もしもしぃ?」
「なんだ? その声」


相手は景吾。
いつも突然電話がかかってくる。


「お風呂からあがってウトウトしてたのよ」
「ガキか、バーカ」

なんとでも言え。

「で、なぁに?」
「今お前の家の前にいんだよ。ちょっと出てこいよ」
「は? なんで?」
「どうせTシャツに短パンなんだろ? すぐ来い」

う…当たってて反論できない。

「ヤだよ、仮にも私乙女」
「5秒だ。来い」

だーもーっ!!!
ったくこの男は俺様なんだからっ!!!!!!

ちょっとした上着を着て急いで外へ出る。


「何よ? もぅ」

跡部は車の後部座席から顔を出し

「1分6秒、まぁまぁなんじゃねーの?」
「計ってたのかよ?!」

ククッと笑う跡部。
どうして私はこんな奴の為にこんなに一生懸命に行動してんのよ?

「ボーッと突っ立ってんじゃねぇよ、乗れ」

車のドアが開けられる。

「はぁ?」
「ハァ? じゃねーよ」
「いや、はぁ? って言っていい状況だよ、今」
「星、見せに連れてってやるよ」
「は?」
「テメ…今日が何の日が知ってるだろうが」

今日?

7月7日…

「あっ! 七夕!」

「…バーカ」