長いまつげを伏せて
閉じた瞳から
数え切れない雫が零れた。
◆とらわれたまま…◆
名前
そう言われれば、一番に駄目だと思ったのはソレだった。
だったのだ。
あくまで過去形。
次に思ったのが
『危うさ』
これでも2年間彼の傍にいた。
彼の危うさは少なからず知っている。
その 危うさ が駄目だと思う。
「私は、気にしてないよ」
目の前で言うさんのの顔はクシャクシャだ。
あの頃の欠片すらない。
大半は何所へ消えた?
「同じでも」
あの頃に戻ってもらいたい。
「違うでしょ?」
戻る?
いや、進まなければならない。
「私は」
今、さんは進もうとしている?
でも跡部先輩では駄目だ。
「跡部くんを」
跡部先輩じゃ
二の舞。
「なんとも想ってないから」
また
さんを苦しめる。
「ただの友達だから」
俺はどうしたい?
また笑ってほしい。
その為にどうすればいい?
「長太郎くん」
俺にできるか?
俺には無理だ。
俺ではさんの心に入れない。
誰なら
今
誰なら入れる?
「私には」
今
さんは誰に向って笑える?
その笑顔が作り物でも
誰になら
笑っている?
「いまも」
跡部先輩。
跡部先輩とは普通に喋って、笑った。
跡部先輩は一番駄目で
「むかしも」
一番近い。
悔しいが事実。
「これからも」
駄目だと
強く思う反面
知っている。
『危うい』部分もある。
しかし『強さ』も持っている。
そして知っている。
跡部先輩が
さんに好意を抱いていること。
誰にでも無関心だったさんが
跡部先輩にだけ関心を抱いていること。
先が全く見えない。
今のままの跡部先輩なら確実に二の舞。
でも人はかわる。
跡部先輩、かわってくれますか?
さんの止まった時を動かしてくれますか?
俺はもう
「ずっとずっと、ケイゴだけ」
戒めのように繰り返すこの言葉を言わせたくないんです。
***反省***
鳳少年が頑張ってくれてます。
跡部様出てきてません。
あはは(苦笑)