俺の彼女というポジションに当てはまるであろう女…ここでは仮にA子としよう。
顔はまぁいい。俺のストライクゾーンだ。
声もいい。聞いてて飽きないというか、心地いい。
性格は……難あり……
どうしてこんな女を好きになっちまったのか未だに疑問に思う。
俺の周りにいなかったタイプだったからだろうか?
とにかく謎な女。A子!
「あっとべー!」
スタトーン!!
この、アホ全開な感じで俺の苗字を呼ぶ女はこの世に1人しかいない。
アイツだ。
A子。
そしてこのスタトーン!!という音は俺の頭に降ってきた衝撃音だ。
俗に言うチョップなるものをされている。
「痛ぇよ! バカかお前は?!」
「えっ?! 痛かった?? ごめんねっ跡部って石頭だと思ってたから!!」
この女…全く悪びれた様子がねぇ!
っーか今日もやっぱり面白がってやがる!
「テメェ…この世界のドコに彼氏を殴って喜ぶバカがいんだよ」
「ココに!」(サラリ)
そ う だ な !!
お前はそういうヤツだよ。わかってたよ。でもなぁたまに疑問に思うだろ。ツッコみたくなるだろ! なのにサラッと流すなよ! もっと俺を大事に扱え!
「今自分をもっと大事に扱えとか、敬えとか思ったでしょう」
「あ?!」
時々(というか度々)コイツは物凄く勘がいい。
しかしだな、敬えとまでは思ってねぇよ。
「仕方ないなぁ。今回は特別ですぞ!」
またムックだよ。
コイツはムックの物真似をよくする。似てないのに。(っーか似てたら嫌だけどな)
A子はゴソゴソとポケットを探ると、潰れかけたカップケーキを取り出した。
「家庭科で作ったの。跡部、食べていーよ」
と言って、手渡してくれた。
コイツから手作りのお菓子をもらうだなんて始めてた。
「し…しかたねぇから食ってやるよ」
「照れちゃって〜可愛いなもぅっ☆」
ニヤニヤしているA子はこの際無視だ。
今、俺の手中には(本当は少し憧れてた)彼女お手製のカップケーキ…!!
い…いざ…夢の一口を……!!!!
「…ザリ」
は??!!
な…なんだこの感触は!
普通こういったものを食べた時の効果音っていったら「パク」だろ「パク」
なのになんだよ
「ザリ」って!!
「跡部特製ってことで激硬くしてありまっす☆私の愛でアゴを鍛えてねvv」
激ってオマエはいつから宍戸になったんだ?!
だいたい激にも程があるだろ!!
コレ、石だ!!
硬すぎる!! 歯が折れんじゃねーか?!
「ちなみにまわりはお菓子の材料ですが、真ん中は石ですぞ!」(サラリ)
「バカか!? お前は!!」
「ついでに川から拾ってきた石です!!」(エッヘン)
「テメェ…」
「話突然かわるけど、なんで私の名前がA子なの??」
「それは…」
っーかまたコイツ人の思考読んでやがるし!
「あいね! ここでは名前へんか…」
「バッ…! それは言ってはいけないお約束だろう!!」
「15も過ぎたいい男が『お約束』…デスカ」
「もういいよ。お前帰れ」
「モチ帰るよう。跡部と一緒に」
コレだ。
コイツたまに可愛いこと言いやがるから、ハマるんだ。
「だって跡部と帰ったらもれなく高級車で送ってもらえるしね☆ご近所さんに自慢自慢!」
前言撤回。
それでも俺はコイツにハマッてる。
拍手に置いていた為、名前はA子さん(笑)
アコが跡部さんを書くとヘタレっぽくなるのは何故だろう…
これはアレだね。黒祭からの先行夢。(夢じゃない気もします)
彼女が黒っていいと思うのはアコだけ??