あのままボーッと部室前にいて教師に見つかると後々面倒なので、とりあえず部室でこの1時間を過ごすことになった。
「侑士侑士っご存知でした? ココに向日さんのお菓子が隠されてますのよ」
はウキウキ顔で室内を物色し(向日の)お菓子やら、(向日の)ジュースなどを机に並べた。
「岳人怒るで?」
「大丈夫ですわv「も食っていいぜ!」って言われてますものvv」
微笑みながらお菓子を口にする。
「いちごポッキーv」と笑っていたが突然言った。
「昨日の事、気になったりしてます?」
顔は笑ったまま、ピンクのポッキーを食べながら
「私の態度、変でした?」
「……」
「気になさらないで下さいね」
「気になるわボケ」
「何故ですの?」
「変やから」
「ですから、変な態度のことは」
「実家と仲悪いん?」
「何故?」
「なんとなく」
「円満というワケではないですわ」
「俺もや」
「侑士は…いつまでココにいますの? 中学まで?」
「さぁな、自分は?」
「全ては侑士と共に」
はにこっと微笑むとムースポッキーに手を伸ばした。
すると
ブブブッ……ブブブッ……
ポケットから振動音。
フッとまたの表情が曇る。
「実家か?」
「でしょうね。いつもいつも非常識な時間……」
「出えへんの?」
「……」
は出るつもりはなかったのだが、忍足のその言葉に促され通話ボタンを押してしまった。
「もしもし…」
「調子はどうだ?」
断片的に聞こえる会話。
「はい……変わりなく……」
「そうか、お前には期待している。しかしな、時間がかかりすぎている」
その言葉使い
「はい…はい……え?」
「そろそろ忍足家に戻ってもらう」
口調は『家族』に対するものには聞こえなかった。
「無理にでもな」
「そんな!」
「婚約を公にする」
急に単調だった声が変わった。
「?」
の様子を窺っていると
「それは…まだ……やめてください」
「口答えは許さん」
口調はどんどん荒くなる。
そして最後に言った一言。
叫ぶように言った一言。
「今すぐ連れ戻してもいいのだぞ!」
「ですから、必ず侑士は私が連れ戻しますから!」
言ってすぐ、は口元をおさえた。
そして視線が泳ぎ、忍足をとらえる。
「……すみません、お爺様」
慌てて電話を切り、何とも言えない表情で忍足を見つめる。
「…今の……何なん?」
「……(予定外)」
「連れ戻す…て」
「……(終わらせるまで言うつもりはなかったのに)」
「自分の目的…ソレか?」
「……」
「俺は戻らんからな!」
「戻らないと言っても、連れ戻すくらい、侑士がどう足掻こうと『忍足』の家なら今直ぐにでもできるのに」
「……っ」
「私がココに来た理由。それは全部 私が 終わらせたかったから」
「…?」
「確かに私は侑士を連れ戻す為にココに来た。でも」
「でも?」
「連れ戻す気はないですから」
にこっと微笑んで
「あんのクソジジイの言いなりになるなんて嫌ですの! 確かに『』は『忍足』を求めています。この時代『家の名』だけでは生きていけませんもの。
でも『』が求めているのは『侑士』です。
『家』など関係ありません。私は『名前』に縛られたくない。
ココに来た理由だって表向きは『侑士を連れ戻す為』でも本当は『侑士に会いに来た』ただそれだけ」
「……」
「婚約破棄だってすぐできますの。
『』側から破棄することはしないでしょうから『忍足』側から…
侑士が破棄と言えば、終わりますの」
「……」
「侑士を連れ戻したがっているのは『』です。だから『忍足』は動いてないでしょう?
動いていたら侑士はとっくに連れ戻されてます」
「……」
「婚約が破棄されれば私はココにいる理由がなくなります。『忍足』から別の家へ」
「……どっかの金持ちと婚約させられるってことか?」
「でしょうね。お爺様は『』を潰したくないんですもの」
「自分はソレでええの?」
「嫌ですわよ。だって私は侑士しか愛せませんもの」
「なら…」
「その愛してる人を困らせるつもりはありませんの。
『侑士に会いに来た』って先程言いましたわよね。
もっと正確に言えば
『最後に侑士に会いに来た』」
「……」
「侑士とたくさん楽しい思い出つくったら、婚約を破棄して消えるつもりでした。
これ全部、終わらせてから言うつもりでした。
ごめんね?
こんなこと言ったら、嫌でも自分の住んでる『世界』思い出しちゃう…
普通の中学生みたいに笑ってる侑士に言いたくなかったのに」
「……」
「『忍足』に言ってね。『』と婚約破棄したいって。
それだけで、いいですから。だって『忍足』には『』と結びついてもメリットないもの」
「……なぁ」
「何です?」
「自分…このまま……いなくなる?」
いなくなる=東京からいなくなる。
そして家の命令で誰かと婚約させられる。
はポツリと言った。
「そう――ですわね」
***反省***
ヤバイです。忍足さんドリ…内容忘れかけてる!(だから最低)
前回の反省で『急展開』とか書いてた!
私は何を書くつもりだったの?!
たぶん↑の内容でいいのだと思う。うん…(滝汗)
なんだかとっても今回の文グタグタ…(泣)
書いてることが伝わるか凄い不安…
さんの電話の内容は反転したら読めます。