廊下を駆け抜けて、階段にさしかかった時、青いジャージが目の端に入った。
2・3歩下がって窓を開ける。
すると校舎に向って走ってくる菊丸の姿があった。
「英二!」
無意識に自分でも驚くくらいの大声で名前を呼んでいた。
菊丸はその声にピタッと足を止め
「…?」
校舎を仰ぐ。
「…、ゴメン」
「ごめんなさい!!」
窓から身を乗り出し
「ごめんなさいっ! 全部、全部誤解なの!! それにね、英二のことも全部聞いたから!! ごめんなさい!! ごめんなさい…謝るから、だから…許して…別れるとか言わないで……」
瞳には涙が溢れる。
こんな形で終わらせたくはなかった。
「ごめん…英二……だいすきだから」
気持ちとは裏腹に声はだんだんと小さくなる。
きっと今の言葉は届いてないだろう。
まばたきをして、外を見るとそこに菊丸の姿は無かった。
ボタボタと涙が零れ落ちる。
頭の中では『後悔』ばかり。
その場に座りこんでしまう。
聞こえるはずが無いのに
「ごめんなさい。ごめんなさい」
呟いてしまう。
ポタッとまた一滴零れた時
ぎゅう
急にの背中があたたかくなった。
「ごめん」
耳元で声がする。
世界で1番愛しい人の声。
「えいじ?」
「俺も悪かった。ごめんにゃ。許して?」
「…ん。……あのね……だいすき…だよ」
「俺もが大好きにゃ」
クスッと2人で笑い合って、向かい合う。
菊丸が人差し指で涙をぬぐい
が微笑む。
そしてどちらからともなく唇を重ねた。
あのケンカから2人には劇的な変化があった。
それは
「もーうっバカ! 英二のバカッ」
「バカって言う方がバカなんだにゃーっ」
というようにケンカをしても
「もう英二なんか…なんか…アホーッッ!」
「アホって言う方がアホなんだにゃーっっ」
『嫌い』という言葉を絶対に言わなくなり
「アホだけど、…好きでいてあげるから」
「にゃ〜vv俺も〜vv」
ケンカしても数秒で仲直りするほど愛を深めてしまい
その2人を見て
「ははは(溜息気味)」
「バカップルを素でやってるね(超笑顔)」
「校内1のバカップルと」〔書き書き〕
周囲は呆れるのでありました。
*****いいわけという名の後書のようなモノ******
700hit玲奈サマに捧げます。
謝りドコロたっぷりです。もう本当にゴメンナサイッッ
激怒→甘々…になってないかも…
こんなのでよければ、もらってやってください。