どうしよう?

は微笑む彼氏の後姿を見ながらウンウン唸っていた。


時は2月。
バレンタインという一大イベントも終え一息つくべき時期だ。
しかし
この少女・にはこれからが正念場なのである。
なぜなら

「もうすぐ28日……」

机に突っ伏してググッと手を握る。
28日はの彼氏である不二周助の誕生日なのである。
元来そういうイベント事が大好きなは大張り切りなのだが
相手が世界で一番大好きな人となっては軽く祝うことも出来ない。
しかも
本当は29日生まれで4年に1度しか本当の誕生日を祝えないことがにとって頭を悩ま
せる原因の一つなのだ。

「だってだって4年のうち3回も本当の誕生日じゃないんだよ?!」
「そうだね」
ウンウン唸りながら食い入るようには大石秀一郎を見つめる。
可哀想な大石少年はの相談役としてつかまってしまっているのだ。
「なんか、なんかさぁこう!(机を叩きながら力説)……わかるかな??」
「なんとなく言いたいことは分かるよ。本当の誕生日じゃないからこそ盛大に祝いたいっ
てことだろう?」
「そう! そうなの! さすが大石くんvv」
そうなのである。
本当の誕生日ではない分、だからこそ不二を満足させたい。
不二にとって良い誕生日にしたいのだ。

「で」

人差し指をフリフリしながら
「周助ってば何をあげたら喜ぶと思う?」
そう――これが大問題なのだ。
「不二なら何をあげても喜んでくれるんじゃないかな?」
「そうなのよっ! 周助ってば優しいからvv……じゃなくてぇ、だから困るのよぉ! 周
助なら例えコケシをあげてもマリモをあげても喜んでくれそうじゃない」
「(コケシにマリモって…どこからそんな発想が……)」
「というか、そんなありきたりなプレゼントは嫌なのよ! もっとビックリさせたいし、
喜ばしたいし、忘れられなくするのよ。何か良い案ない? ないない??」
「そう言われても……じゃあ手作りのものとかどうかな?」
「ダメ! 妥当にお菓子でも作ろうかなとか思ったけど『手作り』よ『手作り』!
『手作り』という名の元に作るのなら失敗は許されないの!」
「そこまでこだわらなくても」
「周助ったら絶対笑顔で「手作りなんだ。あっちょっと分量間違った?(クスッ)」とか
「もう少し焼いた方がよかったね(クスッ)」とか言うに決まってるじゃない!
それはもう乾くんも真っ青なデータっぷりなんだから!!!」
「(不二…お前そういう風に思われてるぞ。いいのか?)」
「もうっ大石くんってば役に立たないなぁ(プンプン)」
「…はは(胃痛がしてきた)」
「もういいもんっ次に相談してくるもんっ。だから大石くんは周助見張ってて! 絶対私
に近付けないで!(カッ!(開眼まねっこ))」
「わかったよ(……胃薬)」

不二に悟られぬようコッソリと教室から抜け出すとは大急ぎで駆けて行った。

「ヅカ!」
ドーンと手塚に体当たりする。
……(眉間に皺)」
「相談にのれ! いい? いいよね??」
「それが人にものを頼む態度か?」
「うるせーっ(怒)ヅカがヅラだって皆に言いふらすぞ」
「……事実無根という言葉を知っているか?」
「で、周助に何をあげたらいいと思う?」
「唐突だな。誕生日のことか?」
「ソレ以外に何があるってんだよ? バーカ」
「(前々から思っていたが俺の扱い酷くないか?)」
「黙っちゃって何なの? それでも部長?」
「(関係ないと思うのだが)」

、皆に迷惑かけちゃダメだよ」





チッ
つかえねぇな大石!




「周助……」
「そんなに悩まなくてもいいよ。が僕の誕生日を覚えてくれてるってだけで嬉しいん
だから」
「でもでも」
「それよりも僕はがプレゼントに悩んで僕の相手をしてくれない方が淋しいよ」
「周助vvvv」
「それにもうプレゼントならもらってるよ」
「え?」
の心をね」
「周助vvvvvvv」
イチャイチャラブラブvvvv



「……場所を考えろ!」
「うっさいヅカ! テメェに女がいないからって私達にあたるな」
、言葉使いが悪いよ?」
「いやぁん、ったら(テヘ☆)」
「ごめんね。僕のが手塚にきつくあたっちゃって」




「って……丸め込まれるトコだった!」
?」

バッと不二の腕の中から飛び出すと

「周助はソレでいいかもだけど、私はヤなの! 覚悟しなさい周助! 誕生日は絶対ビッ
クリさせる! 忘れられない誕生日にしてやるんだから! トリプルカウンターでも携え
て待ってなさい!!」

べーっと舌を出すと駆けて行った。


「不二」
「なに?」
「いいのか?」
「なにが?」
「行ってしまったぞ」
「うん」
「……いいのか?」
「うん。受けて立つよ(ニコッ)」
「(受けて立つ?)」










「ってことで越前坊や、いいプレゼントない?」
「ないっす」
「ファンタおごってあげるから」
「じゃあ先輩」
「はぁ?」
「ほらアレ。私をあげる。ってヤツ」
「バーカ。それは閏年の本当の誕生日用に大事にとってんの!」
「やるんすか?」
「リボン巻いてでしょ? モチロン☆」
「ふーん。じゃあそれまでオアズケ?」
「んーん。そういうワケじゃないけどって何言わすのよっ(照)」
「自分が言ったんじゃないっすか」
「プンプカプーン! もういいもん」

「ってことで乾くんいいプレゼント知らない?」
「期待にそえるようなデータはないな」
「チッ(つかえねぇ)」

「菊なんかいい考え!」
「わわっわからないにゃ(ビクビク)」
「周助と同じクラスでしょ」
「ふっ不可抗力にゃーっ(泣)(同じクラスだからって関係無いにゃーっ)」


こうしてはテニス部員の元をまわったのだか結局いい案はでなかった。










「どうしよう」
時は流れついにとうとう当日。


「28日」


は頭を抱え机にゴンゴンと打ちつける。
頑張って考えたのだがブレゼントを思いつかなかったのである。

「覚悟しろとか言っちゃったよ(泣)」

頭の中では「どうしようどうよう」ただソレだけ。


「いざとなったらアレやっちゃう? 私にリボン。でもでもでもぉーっっ」

明らかに挙動不審。

「今、持ってるのは……もしも用のリボンと……もしも用のスタンガン」

リボン+スタンガン=……

「…ふふ(ニヤリ)」






















「しゅーうすけvv」
花のような笑顔では不二に駆け寄った。
「どうしたの?」
「お誕生日のプレゼント持ってきたよvv」
「本当に? 楽しみだな」
「ジャーン」

が「見て見て」と促したのはテニス部部室。

「?」

しかも部室のドアにはリボンがかかっている。

「開けてvv」

促されるままドアを開くと






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?」

「びっくりした??」

「?」

「コレあげる」

「あげるって……皆を?」

「ウンvv」

部室の中にはテニス部員がリボンで縛られもがいている。

「凶器は?」

「スタンガーン☆」

「試合前なんでけどな……」

「手加減しましたvv」

「で、コレをどうしろと」

「えへっ☆つまりですね、皆縛っちゃったから部活無しってことでvvデートしましょ」

「……

「なぁに?」

「うん。驚いた。忘れられない誕生日になりそうだよ」

「周助大好きvvあとでチューしてあげる」

「最高のプレゼントだよ」










「ぶちょー、俺達どうすればいいんすか?」
「痛いにゃーっ」
「胃痛が……」
「せめてリボンほどいて行ってくれよ。アイツ等(怒)」
「ねぇ、ぶちょー」
「知らん!!」











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不二様お誕生日おめでとうございます。
祝ってるようで祝っていないドリで
ごめんなさーいっ。
書き逃げっ

プレゼントって言ったら自分にリボンよ!
と宣言したMちゃんよ!
書いたよ。恥ずかしい。もうっ
これで満足ですか?
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