考えても考えても「答え」は出なかった。
なるように、なれっ!!
■わたしの好きな人・6■
とは思ったものの、やはりビミョウな空気です。
こういう時、同じクラスというのは都合が悪いです。
悪すぎです。
今朝、教室に入ってから、私も英二も無言。
かつ、不自然なくらい二人ともそっぽ向いてます……
どどどどどどどどうしよう…………
「今日は二人ともどうしたの?」
っぎゃーっっ!!
不二のバカバカッ!
余計なことつっこまないでよっ!!
もっと空気が悪くなるじゃんよぅっ!!
「二人とも無言だし」
もーもーっ不二のアホっ糸目っっ!!
「なに? ケンカでもしたの?」
「「してない!!」」
っあ……か……かぶっ…た……
きき気まずい……助けてーっ誰か助けてーっっ!!
「いつにもまして今日変だよ?」
不二…ゴメン。
あんたを理由にするから…
「……ふ…不二のバカッッ! きらいきらいきらいっっ」
ガタンッと大きな音を立てて立ち上がると教室から離脱。
もうダメ。もうダメ。あの雰囲気に耐えられないっっ
とりあえず、どこかで授業サボッて心を落ち着かせようと考えていたら
「まっ…待てよ!」
一番今だけは聞きたくない声からの静止を求める言葉。
チラッと教室を見ると、追いかけてこようとしている英二の姿。
い…いや……っ!!
私は逃げる。
今は嫌。今は無理。
全速力で逃げる。
その私に驚いて廊下を歩いていた生徒が立ち止まる。
その生徒にぶつかってしまったりして英二はなかなか私に追いつけない。
「ちょっ…待てって! !!」
「いっや!」
とにかく走る。
途中先生に遭遇。
逃げる。
絶対放課後呼出。
でも今は逃げる。
だって今英二につかまっても、どうすればいいかわからないもん。
何を言えばいいかわからないもん。
だから、逃げる。
階段を駆け上がって、廊下を突っ走って、今度は階段を駆け下りて
3年6組から遠く離れた特別教室が立ち並ぶ廊下でついに私は
「待てっつってんだろ!」
英二につかまった。
左手をしっかりつかまれて、もう逃げられない。
「どうして、逃げるんだよ?」
「……」
「、何か言えよ」
「……はぁ…はぁ……い…まは……む…り」
息があがってとてもじゃないけど、喋れない状態。
すると
「ぶはっ!」
英二はいきなり笑い出した。
「マジでおもしろすぎ…ぷぷ」
全く呼吸が乱れていない英二は流石に凄いと思うけど
ここまでバカ笑いされてはムカツク…
「英二のアホ」
やっとの思いで息を整えて言えた一言がコレ。
自分でも何を言ってるのだかって感じ。
「アホって…それ酷くない??」
「酷くない」
私達が突っ立っている廊下付近で授業は行われておらず、シンと静まりかえっている。
「授業…始まってるんじゃないの?」
「さっきチャイム鳴ってたしね。始まってるっしょ」
「行かなくていいの?」
「こそ」
「いい加減、手、離して」
「離したら逃げるんでしょ?」
「……何がしたいの?」
「……きのー…の…こと」
ぐはっ! と血を吐きそうな勢いです。
「キノウノコト…トイイマスト?」
「昨日さ…俺のこと…その…………好き………………とか言った?」
「言ってない!!」
「……ごーじょっぱり」
「言ってないもん!!」
「いーや言ってた! 絶対絶対言ってた!!」
「言ってない言ってない言ってない!!」
「言った言った言った言った!!」
今度ばかりは…ごまかしきれない。
わかっていたけど、認めたくなかった事実。
あーあ…これで英二との『お友達』は終わっちゃうのか……
「言ってたら…なによ?」
「にゃ?」
「言ってたらどうだっていうのよ??」
「??」
「悪かったわね! 言ったわよ。確かにペロッと言ったわよ!! 好きよ! アンタのこと好きよ!! だったら何? 悪いわけ?? こっそり片想いでいることもダメだって言うの?! もうバカバカッ英二のバカッ! だいたいアンタ間が悪いのよ!! いっつもいっつも!! もう知らないっっバカバカバカッッ」
自分で言ってて泣きたくなる。
これって完璧、逆ギレだよね……。
はぁ…もう嫌われちゃう。
完璧嫌われちゃう。
「んなーっ!! バカバカ言うなっ! のバカっ!! 間が悪いって言えばだって同じだろっ!! だってじゅうぶん間が悪い女だよ!! だいたい俺ひとっことも言ってないのに何勝手に思い込んで怒ってんだよ?! 誰がいつドコでのこと嫌いっつった?! 誰がの気持ち迷惑って言ったかよ?! 嬉しかったんだよ、昨日!! すっげーすっげー嬉しかったのに!!」
うわー逆ギレ返しだよ…
ん?
勢いに呆気に取られてたけど、んん??
「英二?」
「でも聞き間違い…かもしんなくて…だから確かめようと思ったのに……昨日はごまかそうとするし…今日は朝から目も合わせてくれないし」
「うーあーゴメン。でも」
「でも?」
「その…ほら……英二はその……失恋……したばかりでしょ? だから…だから」
「たしかに、そうだし。まだ完璧にあの子のこと…ふっきれてないけど」
「でしょ? だから、私」
「でも! のことは友達以上だと思ってる! マジで思ってる!!」
「……なっ」
「俺のこと好きだよな!?」
「え? あっ…うん」
「じゃあ、俺の心、あの子から奪ってよ。もう全然の方向いてるから……簡単……だと……思うから」
「英二…」
「頑張れよ! っ!!」
ああ…もうどうしよう。
笑っちゃいそう。
なんて自分勝手な言い分…
でも
「しかたないなぁ。ちょっとだけ頑張ってやるよ」
嬉しい。
どうしようもないくらい間が悪くて
ちょっとバカで、自分勝手な
わたしのすきなひと、菊丸英二。
どうやら私は頑張ればこの人の「すきなひと」になれるそうですので
頑張りたいと思います。
すっかり放置していて内容忘れてた菊ドリです。
これ以上の放置はさすがにマズイと思い、終わらせました。
なんだかとっても無理矢理気味ですが…そこは…ね……
勘弁してくださいっっ。
それではっ