「むーっ……」

なんといいますか…コレは非常に面白くないです。



■ぷりっ■



何がおもしろくない。かと言いますと

見ちゃったんですよね。たった今。目の前で。

「あの、これっ」

顔を真っ赤にした他校の女の子が不二くんに手紙を渡して去って行きました。
察しはつきます。
コレってアレでしょう?

恋文。

これだけ顔のいい人ですから、道を歩けば女の子は振り返ります。目線は釘付けです。
ですから『一目惚れ』される方もいらっしゃるでしょう。

で も


目の前で、こういう光景を見るとムッとします。
妬きます。

し か も

不二くん受け取りやがりましたよ!?(笑顔でっ!!)

よりにもよって私の目の前でっ!!


むすーっと膨れる私の隣で
「どうしたの?」
と不二くんは微笑んでいます。

むむむーっ(怒)
久しぶりに一緒に帰ることができたのに。そんな日に私の目の前で、その…彼女…がいる
とか一言も言わずにこの男は好意を受け取ったのです。

「不二くん…の……」

矛盾しますけど…
受け取るな。とは言えません。

だってあの子は一生懸命気持ちを綴ったのですから。
だから、受け取ってちゃんと読んで、そして、返事をしてもらいたいです。
その場で手紙を返す、破る、捨てる。なんてことしたら、もれなく殴りますけど。

けど

笑顔で受け取ってほしくはなかったんです。(真顔で受け取られてもヤです…)

その…コレは私のワガママです。
ただのヤキモチです。

でも

「不二くんのバカ」

なんかモヤモヤします。とってもイライラします。
こんな日は一緒になんて帰れません。


「お先に失礼しますっ!!」


とっとと帰ります。もうプンプンなんだからっ!!
















「大成功」

プリプリと帰り行く彼女の後姿を見つめ、不二がクスリと笑う。

手に持っていた手紙はグシャリと音を立てて握りつぶされた。

「ひどっ!!」
「やぁ英二」

不二は振り返り後ろからやって来た菊丸に手紙を投げつけた。

「せっかくソレっぽく書いてやったのに〜!(しかも裏声までだしてソレ渡したのに!)」
「っーか英二、はやく着替えないと笑いものになるよ」

手紙のシワをのばす菊丸の格好は青春学園の制服ではなく、不動峰の制服。

「にゃっ!(怒)俺の制服隠して無理矢理コレ着せたの不二だろーっ! 制服返してにゃっ!!」
「ああ、部室のゴミ箱のなかだよ」(サラリ)
「酷っ!!」
「捨てられないうちにはやく拾うことだね。ああ、あとその制服はクリーニングに出して橘杏さんに返しておいて」
「俺が?!」
「返しておいて」
「……」

「あまり英二をいじめないでもらえるか?」

続いてやってきたのは大石。菊丸を慰めると着替えに行くように告げた。

「全く…今日は英二を何につかったんだ?」
「ああ、急にヤキモチやくの顔が見たくなってね」(サラリ)
「……また罠を…?」
「まぁ、そういうことかな。今日の夜電話して宥めるのも楽しそうだよね」



不二周助。
いろんな彼女の顔がみたくて、常に罠をはる男。
そのことを彼女は知らない……



















拍手お礼2
せっかくなので、放置。(笑)
ちなみにタイトルは立海の某少年の影響だと…思われたり…(笑)
拍手お礼がどっちも『帰り道』だということに今気付いた(遅)
びっくりした〜