「不二くん…」

この日、私はテニス部の皆さんの期待を背負いこの疑問を不二くんにぶつけました。



「最近、見かけませんけど…妖精さんはドコへ行ったのですか?」








■疑問をぶつけた日■











テニス部部室には私と不二くん二人きり。
その部室を取り囲むように皆さんがいて、窓から様子を覗いたりしています。

事の発端は越前くんの一言。

「最近ヨーセー現れないっすね」

誰もが思っていたけれどあえて口にしなかった事を越前くんはサラリと言った。

必死に忘れようしていた皆さんはその一言で恐怖(イロイロあったようです)が蘇り姿無き敵に怯え暮らしていたのです。
しかしそんな暮らしに耐えられなくなった皆さんから

「それなく不二に訊いてもらえないかな?」

と依頼されたのです。

いる。なら、いる。
いない。なら、いない。とハッキリしてほしいのです。





「妖精?」

この男、しらばっくれてます。

「ツバメとヒグマとシロクジラのことです」
「(白鯨っていつになったら言ってくれるんだろう)…ああっ!」
「忘れてたってフリですか? 演技下手ですよ。ウソくさい」
「(下手…)アイツ等は…………」
「また修行ですか?」
「違うよ」
「では?」
「契約が切れてね。魔界に戻ったんだ」(ニッコリ)
「(魔界…)では…その…もういないのですか?」
「今は、ね。そのうちまた召喚するよ」
「(召喚…)わかりました」

このことを皆さんに報告すればきっと皆さん大喜びですね!
もう妖精に
(暫くは)怯えないですむのですっ

「でもね、

意気揚揚と部室から出ようとした私に不二くんがとびっきりの笑顔で

「アイツ等いなくても、僕はそれなりのことはできるからね」

そ れ な り ?

「なんなら、証明しようか?」

不二くんがニッコリ微笑むと


ザワッ


急に外が騒ぎ出しました。


「え?」

慌てて窓から顔を出すと

「…桃城…くん?」

桃城くんが真っ青な顔でぶっ倒れていました。

「どどどどっどうしたのですかっ?!」

慌てる私の横からヒョイっと不二くんが顔を出し

「あれ? 僕は英二を狙ったつもりだったんだけど」

おかしいなぁ。と笑いながら不二くんは言いやがりました。

「妖精いないと命中しないなぁ」

などとボソボソ言っています。


後から聞いたのですが
この瞬間、皆さんはこう思ったそうです。

妖精、戻ってきてくれ!!

と。

理由は一つです。
桃城くんの倒れっぷりから妖精がいてもいなくても威力は変わらない。
なら
命中率が下がって自分までとばっちりを受けたくない!

だそうです。




不二くん…人間に戻ろうよ。

魔界の王子もいいですけど…そろそろ人間界に戻ってきてください。


あの…どなたか協力してください。

皆で不二くんを人間にしましょうよ!


「手塚くん、協力…」
「無理だ!」(即答)








今日はそんなことを思った日。











コレは何?→本編には関係あるようでない短い話が書きたかっただけです。それだけです。意味不明でゴメンナサイ。