最初は勝手に勝負してた。
『落とされるか、落ちないか』
■鉄拳パンチ■
ガスッ!!
ゴスッッ!!
ただ今、頭冷やしてます。
お気に入りの犬のぬいぐるみを殴りながら。(何かにこの気持ちをぶつけたいのです)
あーもーちょっと、どうします??
私『すき』とか言っちゃいましたよ????
言っちゃったんです!!!!
どうして? なんで??
私が不二くんを好き??
好きって=恋愛の好き?????
もーうっわかんないよっ
こういう時は、相談です。(他力本願)
誰に相談します?
もういい。皆で!!
『助けてください』
とメール文を打ってみた。
で、皆(テニス部レギュラー達+)に送信してみた。
するとすぐに
手塚『どうした? 大丈夫か? まだ生きているか?』
大石『さん大丈夫? 不二に何かされた?』
乾『どうしたんだい? 言ってごらん』
菊丸『ちゃん大丈夫?? どうしたの?? にゃにがあったの???』
河村『さん? どうしたの? 俺でよければ力になるよ』
桃城『先輩大丈夫っすか? 俺にできることなんかあります?』
海堂『大丈夫ですか? 何があったんですか?』
越前『どーしたんすか? 不二先輩に何されたんすか?』
『な〜に〜? くだらないことだったらツブスよう?』
皆、優しいvv(以外)
『明日、相談にのってくださいます?』
ってメールを皆に送ったら
全員から『いいよ』の返事。
いい友達を持ちました!!
は幸せ者です!!
翌日の放課後、不二くんのいない部室で
「不二は?」
「竜崎先生のところ」
「陣は?」
「書いた」
不二くん防御体制万全のなか
皆さんの視線を一身に受けながら
口を開いた。
「『すき』ってどういうことですか?」
「ぷっ」
すぐにふきだしたのは菊丸くん。
「にゃにを言うかと思ったら」
続いて呆れ顔で
「『ある物に・人に心を引かれること。』」
辞書にでも書いてありそうなことを乾くんが言いました。
「私って、不二くんのこと『好き』なんでしょうか?」
真顔で問います。
こんなこと人に訊くことじゃないってわかってます。
わかってますけど
訊かずにはいられないんです!
もう、わかんないんです!!(逆ギレ)
「ちょっと待って……えーっと昨日までおばあちゃんの家に行ってたんでしょ? ってコトは昨日の夜なんかあったの?」
ベンチに座ったが「言ってみなさい」と指で促します。
「…えっと……不二くんに会いました」
「それで?」
「なんか不覚にも感動モードに突入いたしまして…」
「で?」
「こう…ポロッと……好きとか…なんとか」
「「「「「!!!!!?????」」」」」
一瞬、時が止まりました。
皆さん口々に「嘘だろ?」とか「信じられない」などと言っています。
ええ、そうでしょうとも。
私も信じられません。(キッパリ)
「あの『好き』ってどんな気持ちのことですか?」
こんなことを訊いていますが、今まで恋をしたことがないってワケではありません。
2年弱片想いをしてました。(不二くんにブチ壊されたけど)
その恋は見てるだけでドキドキしました。
幸せでした。
今、私は不二くんを見たらドキドキします。(違う意味を含めて)
幸せっつーか…なんつーか…幸せだったり、不幸のどん底だったり……
「はいはーい。わかったわかった」
とが何度か頷くと
「今から、不二のイイトコロをにふきこんで」
と言いました。
「??」
「は黙って聞く。はい、じゃ言って」
ちょいちょいと促します。
「はいはいはーいっ!」
元気に手をあげたのは菊丸くん。
「不二は頭いい!」
続いてポツポツと
「さりげに力持ち」
「テニスが上手い」
「女の子に人気がある」
「(にだけ)優しい」
不二くんを褒めていきます。
? なにがしたいのですか??
「昨日までの不二はすごかったよね」
「ああ(苦笑)」
話しているうちに話題は自然と一昨日・昨日のことへ。
「ちゃん聞いて聞いて! 不二ね、すっごい可愛かったんだにゃ!!」
「可愛い??」
「朝からずーっと『』『』って。ケータイ手放さないで、廊下をウロウロしたり」
「今流行っている病気がないか調べたりもしてたな」
「あとは、心配しすぎて部活中に…プッ」
「大石ぃふきだしたら俺まで思い出し笑い…プフーッッ!!」
「部活中にボールを頭にぶつけたり、ボールにつまずいて転んだり、心ここにあらずって感じだったな」
「で、何より1番ウケたのが」
クスクス皆さん思い出し笑いをされます。
「『誘拐』だって」
「え?」
「一昨日の朝はまだ担任に連絡してなかっただろう?」
そういえば、かーちゃんが学校に連絡を入れたのはお昼前でした。
「朝ね、ちゃんの担任に聞きに行ったんだよ。『どーして休みなの?』って」
「そしたら『連絡は無い』って言われて」
「『誘拐だ! が誘拐された!!』って大騒ぎ。家に電話してさ『僕の嫁の為にいくら金だせる?』とか訊いてたし…ププッ」
「『…………』ってわけのわかんない呪文言い出して、アレってにゃんだったの?」
「…黒魔術……。犯人を呪い殺すと言っていた」
「(コワッ!)タイヘンだったんだよ。『誘拐』じゃないって言い聞かせるの」
「最終的にはが」
「私が『は生理痛だから!』って言っといた☆」
「なっ!!」
「ウソだよ。『風邪』って言っといた」
(…女の子が男達の前でそんなことを堂々と言うんじゃない)手塚心の声。
「まぁそんなこんなで不二はがいないとダメみたいよ」
「…締め方がメチャクチャだ」
「??」
「もーっじれったいなぁ。? いーい? 好きなんて気持ちは普通にしてたら溢れてくるもんなの! 溢れてきたら『好き』ってことよ!」
「溢れる?」
「そんなもん、わかるときはわかる! 以上だ、行ってよし!(ビシィ)」
「ちゃん、氷帝の監督の真似するのやめるにゃ」
「ねぇ皆。僕に隠れて、何を話してるの?」
ぞくぅっ!!(鳥肌)
「じじっ陣が破られている!!」
「にゃ――――っっ(絶叫)」
部室のドアのところに不二くんが立っていました。
「と皆で、何を話していたの?」(開眼)
「にゃんでもにゃいにゃ(ビクビク)」
「ふーん、まぁいいや。、早くここから出てvv」
「?」
不二くんの手招きに寄って行くと
「ゴメンッ! 私先に出る!!」
私を押し退けてが外に飛び出して
「??」
わけがわかんないまま不二くんの隣まで行くと
……バタン
ひとりでにドアが閉まりました。
「?」
そして隣には…懐かしい…久しく見ていなかった凶悪な笑顔の不二くん。
「ふぢくん?」
「お仕置きvv」
クスッと不二くんが笑うとドコからともなくツバメ(妖精久しぶりです)が飛んできて、部室の屋根にとまると
「「「「「「「「っっ!!!!!!!!」」」」」」」」
なかから、声にならない声が聞こえました。
「ふふふっ不二くん??!!」
ガシッと胸座をつかんで
ブンブンふりながら
「なにをしたんですかぁ??!!」
そうです。そうです。
いくら優しくても
忘れてはいけません
この人…人?
この不二周助は「魔王様」なのですっ!!!!
「なかの皆さんは大丈夫ですか? 生きてますか??」
「さすがにこの歳で殺人者にはなりたくないからねv」
そのっその笑顔がウソくさいんですっっ!!!!
「皆、酷いよねぇ。僕がのこと好きだって知ってるくせに、に隠れて会うなんて」
「ちっっちが」
「羆もいっとく?(超笑顔)」
「ダメッ!! ダメ!!(ツバメだけでもそうとう心配なのに羆まで出てきたら、死んじゃう! 誰か死んじゃう!!!)」
「で、なにしてたの? 僕に言えないこと?」
「…………(汗)」(なんとか話題を転換させたい)
「羆、呼ぼうか?」
「…………『誘拐』」
「?」
「『誘拐』って騒いだんですか?」
「…(にっこり)」
「笑って誤魔化さないでください! もーうっバカなんだから」
「ばか?」
「常識で考えてください。誘拐なんてされるわけないじゃないですか!(しかも家族ごと)」
「それも、そうだね」
「しかもご家族の方に『嫁の為にいくら出せる?』とか訊いたとか」
「うん、訊いたね」
「『嫁』ってどういうことですか?(怒)」
「将来の嫁ってことだよ」
「私、婿養子派です(大嘘)」
「入り婿もいいよね(キッパリ)」
「はぁ(溜息)もういいです。とりあえず皆さんを助けてください!」
「?」
「知らないふりしないで! ツバメをどっかにやって!」
「どうしても?」
「どうしても!!」
「うっさい。痴話喧嘩はどっかよそでやって」
私達の口論(?)を止めたのは。
「この程度だったら、私がなんとかできるから」
?
「さんもなかなかいい腕持ってるんだね」
「不二にはまだまだ及ばないけどね」
……(汗)まさか
「じゃあ、お言葉に甘えてあっちでゆっくり話そうかvv」
「うぇ?? えっ? でも」
「皆のことは任せて☆」
がヒラヒラと手をふっています。
なんとなくは気付いていましたけど
も黒魔術の使い手なんですね……(滝汗)
ぎゅっと左手をにぎられ、笑顔の不二くんに引きずられます。
皆さんのことはに任せて、不二くんに従います。
「どこ行くんですか?」
「秘密」
コワッ!
とは思いますけど、酷いことをされるわけではないと思うので
黙ってついて行きますけど
なんか
手とかつないで歩くの、久しぶりで(幼稚園以来です)
というか、不二くんと手をつないで歩くのって初めてじゃないですか??
つなぐといいますか、今のカタチは不二くんに手を握られてるというカタチなのですが。
つまり
私は、握り返してないのです。
「どこまで行くんですか?」
「もう少し」
手を握られたまま、私は不二くんの一歩後を引っ張られるように歩いていたので
すこしだけ早歩きをして
隣まで行くと
ぎゅっ
と手を握り返しました。
隣で不二くんが一瞬、目を開いて私を見たけど
私はその視線を気付かないふりをしました。
なんで、こういう行動を取ったのか。
自分ではよくわからないけど
ただ、手をつないで、隣を歩きたかったのです。
不二くんに連れられてやって来たのは屋上。
しかもお昼をとる屋上(出入り自由)ではなく、別棟の屋上(立入禁止)です。
鍵がかかっているはずなのに、あっさり開きました。(壊れて(壊して?)あるようです)
不二くん? 何をしやがったのですか?
と、言いたいですけど言っても無駄ですので言いません。
「どうしてココに連れてきたのです?」
と訊きますと
ニッコリ笑って
「2人っきりで話したかったから」
こういう恥ずかしいことをサラリと言います。
っーか2人っきりになると昨日のこと思い出してかなり恥ずかしいのですけど……(照)
「、あのね」
「ななっなんでしょう」
ああ、もうダメです。
変に緊張してしまいます。
「どうしたの?」
不二くんはクスクス笑ってます。
なんかその余裕っぷりがムカっときます(八つ当たり)
「ねぇ不二くん」
「なぁに」
「さっき言いかけたこと、なんですか?」
「ああ…昨日の」
「あああーっっっっ」
「?」
「そそその昨日のことは…ナシという方向で」
たぶん今、顔が真っ赤でしょう。
言わないでくださいよぅ。恥ずかしいじゃないですかぁっっ
私は不二くんから逃げるように、安全の為にあるフェンスまで駆け寄ると
「あ」
気付いてしまいました。
これは、偶然ですか?
それとも…
「不二くん、ココって?」
鍵が壊れていたのを、どうして知っていたのですか?
前からここに来ていたと考えていいのですか?
「僕の秘密のお気に入りの場所」
お気に入り? どうして何もない屋上が? 景色がいいわけでもない屋上が?
「いつから、お気に入りなんですか?」
自惚れかもしれない。
でも
ここからは
この屋上からは
「を好きになったときから」
図書室がよく見えるのです。
いつも私が座っているカウンターが、よく見えるのです。
「…不二くん?」
「ここから、見てたよ。今思えばちょっとストーカーっぽいけどね」
「ぽいじゃなくて、まさしくソレです。ストーカー」
「酷いなぁは。純情な少年の恋心を」
「ウソくさい」
いつから、見てたのですか?
たしかにストーカーっぽいです。
行動はあやしいです。
でも
それを嬉しいと感じた自分がいるんです。
どきどき する。
それに、今すごい
なんか
幸せ。
「不二くん?」
「なに?」
「手、かして?」
「?」
差し出された手を握ってみる。
すぐに、不二くんが握り返す。
どきどき する。
しあわせ でもある。
なにより
なぜだか
あんしん する。
昨日も感じたこの気持ち。
不二くんがいて うれしい。
手をつないでくれて、うれしい。
想っていてくれて、うれしい。
ああ、なんか
なんか
なんか
「……す……………………き」
「え?」
「どうしよう……なんか…………私……不二くん……す…き」
言ってしまったら止まらなかった。
すき
という言葉を口から発して、自分の耳に入って、頭の中をまわって、心にたどりつく
改めて、ちゃんと実感する。
私、不二くんのこと本当に好きなんだ。
「?」
「どうしよう? 私、不二くん好きみたい」
「? 昨日みたいに「ナシ」とか言わない?」
「…言えない」
ぎゅうっっ
つないでいた手を引っ張られたと思ったら、次の瞬間には不二くんの腕の中にいた。
「本当に本当?」
「ほんとう」
「僕のこと、好き?」
「すき」
「僕もが好き。大好き」
この日、私と不二くんは
恋人
になりました。
が部室のドアを開くとそこには真っ青になったレギュラー陣が座りこんだり、倒れたりしていた。
「皆、大丈夫?」
その問いに応えられたのはわずか2人
「ああ、なんとか」
乾と
「すまない、助かった」
手塚。
「あとはまだ夢のなかかぁ」
「夢なんて綺麗な言葉で片付けられないぞ」
「まったくだ」
なんとか立ちあがると淀んだ空気を入れかえる為に窓を開ける。
「ところで、」
「なぁに?」
「と不二は?」
「どっか行った」
「じゃあ、訊けるな。さっきのはどういった意図があったんだ?」
「さっきのって?」
「に不二の長所を言うってやつだ」
「ああ、アレ? だってほら、昨日好きって言ったってことは好きってことでしょう? なのにウジウジ悩んでるから」
「背中を押してやったってわけか?」
「まぁ、そーゆーとこ」
ニッとは笑い
「これで、魔王に生贄を差し出したわけだから暫くは青学平和になるわvv」
「「??!!」」
「いいじゃんいいじゃん、2人は幸せ。皆も幸せvv」
友達を『生贄』と表現する少女に頭を痛めつつ、倒れる部員の介抱をしはじめる手塚と乾であった。
***反省***
おめでとう! 不二様!!
やっと、やっと想いが通じましたね!!
これからは思う存分イチャイチャしてください!!
不二様連作はこれで一応、一区切り。
まだまだ続ける気満々ですけどね(^∀^)
この2人は書いてて楽しいのです。ふふっ(笑)
今回の話のタイトルは『鉄拳パンチ』
告白する回には相応しくないタイトル(笑)
この回は皆さんに『鉄拳パンチ』なのです。
さんにとっては不二様への想いに気付いた自分に驚きパンチ☆
不二様にとっては昨日拒否られたのにさん突然告られ嬉しいパンチ☆
皆さん+さんにとっては2人がひっついたことに衝撃パンチ☆
ってコトです。
あとはタイトルまで甘くしたくなかったんです(笑)
甘々すぎると恥ずかしいですから(照)