■あなたの気持ち。私の本音■
「やばいっ」
放課後の教室、誰に言うでもなくは呟く。
「ふふふふっ不二っ不二くんに(汗)……ハマッた(ガーン!!)」
あれだけ嫌いだったのに
あれだけイヤだったのに
すき
って言ってしまった。
「どどどっどうしよう」
言ってしまったら後の祭。
れっきとしたカレカノであり
「あぅぁああっっ(叫)」
っーか
以前の賭けは見事に私の負けでありまして
「うぐぅぁぁあっっ(嗚咽)」
私の人生
お先
真っ暗??
なんつーか
魔界に片足つっこんだ??
「なに百面相してるの?」
頭を抱えて座りこむ私の後ろから、よーくそれはもうよく聞いたことのある声がする。
「不二くん……」
「……周助って呼ぼうね(ニコッ)」
「なんですか?」
「用が無いと彼女に会いに来ちゃダメなの?」
かのじょ
うきゃあああっっっ(叫!)
「ははっ恥ずっっそげんこつ言ってからに(動揺)」
「?」
顔が直視できません。ヤバイ。恥ずかしい。
私はアホ??
アホですか????
「どうしたの?」
不二くんもしゃがみます。
顔が目の前です。
顔から
火が出そぉ(照)
「なんでも……ない」
「そう? じゃ帰ろうか」
「サヨウナラ」
「一緒に、ね」
「うぁっ///」
本気でヤバイ。
なんかヤバイ。
いつもの私じゃナイ。
こんなの
こんなのっっ!!
「恥ずかしい(プシュゥゥ)(湯気)」
「?」
「ダメ。不二くんといるとダメ。恥ずかしい」
「どうして?」
「どうしてって……す…………どうしてもっ!」
危ねぇ!!
すきだから。
とか言いそうになった!!
「僕はずっと一緒にいたいんだけどな」
「恥ずっっ!!」
「恥ずかしくなんかないよ。僕はが好きだからね」
ぐがーっっ!!
ダメ!!
なんか
こーゆー甘々モードは嫌! 苦手!!
「パス1」
「何ソレ?」
「そーゆーのダメ」
「そーゆーのって?」
「こーゆーの」
「こーゆーのって?」
「その……すす…………き…………とか言われたりするの」
「すすき?(ニッコリ)」
この男は!!!!
わざと! わざと言ってる。
からかってる!!
悔しいっっ
「嫌い」
「僕も好きだよ」
もってか!!
んなろ(怒)
くやしいくやしいくやしーいっっ
なんなのこの男の余裕っぷり!
恋愛とは常に2人が対等でなければならないのよ!
だってだってだって
私だけドキドキして恥ずかしがるの
悔しいし
なにより
この余裕の笑顔がムカツク(本音)
この男の余裕の仮面をはいでやりたい。
あっ!
イイコト思いつきましたvv
「あのね、不二くん。ね今日ご用事があるの。だからね先に帰っててほしいなvv」
「なに企んでるの?」
「なぁんにも企んでないよvv女の子のヒ・ミ・ツ」
「ふーん……」
「ダメ?(上目遣い)」
「いい…けど」
「ありがとvv」
はっ(笑)
チョロイわ不二周助!!
上目遣いにコロリと騙されるなんて
ププッ
青学の魔王破れたりだわ!!
私は軽い足取りで11組へとスキップして行きました。
「いっぬいくん☆」
「?」
困ったときの乾様vv
よかったデス。
乾くんはまだ残ってましたvv(なんかが胡散臭そうな目で見てますが今は無視です)
「データノートプリーズvv」
「どうした?」
「あのですね、こう何と言いますか不二くんをギャフンと言わせたいのですよ」
「無理だな」
「そこをなんとか! あの余裕っぷりがムカツクのです」
「……何が知りたい?」
……あっ
具体的に考えてませんでした(滝汗)
「えーっとえーっと」
「考えてなかったんだな」
「(コクリ)」
「では」とノートを広げ(なかは見えない。チッ)座りなおして
「は不二から余裕が気に入らないんだな」
「ん(コクリ)」
「問題、なぜ不二は余裕なのでしょう?」
「は?」
「答え、が自分のことを好きだって確信できたから」
「はぁ??」
「問題、なぜ不二が余裕なのでしょう?」
「え? 今……」
「答え、不二は何年を想ってたと思う?」
「え??」
「今、3年目。知ってた??」
「……はぁ?!」
「長年の片想い、その彼女に好きって言われたら……それが余裕の答え」
「なんっすか? ソレ」
「つまり、余裕に見えるけど。アレで内心浮かれてるんだよ」
「わけわかんない」
「だろうね。わざと混乱するような言い方しているから」(意地悪)
「ひどっっ!」
「自分で整理してごらん。ヒントは言ったよ」
乾くんはポンッと軽く頭をノートで叩くと行ってしまいました。
ヒント??
えーっっと
乾くんが言ってたことは
@私が好きって言ったこと
A不二くんがずっと私を想ってくれてたこと
B実は浮かれてる
なんじゃそりゃ??
つまり両想いってヤツで不二くんが浮かれモード。
だからどーした!?
わかりません。本気でわかりません。
「……こうなったら、相談。よね?」(なんだか私、相談癖がついてます)
ってことで
1番相談しやすいのは
「おおいっしくん☆」
「(ビクッ)…どうしたの?」
私は早速大石くんを捕まえ事情を話しました。
「……浮かれた不二をギャフンと言わせる方法?(また面倒なことを……)」
「はい(真剣)」
「えーっと(汗)乾が言いたかった事は……そうだな」
大石くんは黒板に近付くとチョークを持ち、何やら描き始めました。
カッカッカッ
チョークが黒板を滑ります。
が
この絵は……かろうじて…………人??
大石くん……絵…………下手スギ。
「これが不二で、こっちがさんとして」
コレが私…………
『不二――――――――――――→』
『―――→』
ビミョウな絵と矢印。こっこれは??
「不二の好きだという気持ちがこれくらいだったら、たぶんさんの気持ちはこんなもんなんだと思うんだよ」
「はぁ……」
「だから、不二は余裕なんじゃないかなぁ」
「は??」
「不二の想いが強いってことだよ」
ますます
わけがわかりません。
「あのぉ……それじゃ逆に不安になりません?」
自分の気持ちに相手が追いついてないんじゃ不安になるのが普通だと思うのですが。
「簡単簡単♪もうわかってるんだよ。あとは待つだけでちゃんの気持ちが追いつくってこと」
「英二!」
突如、菊丸くんが入ってきました。
しかもマトモなこと言ってます!!!!
「だってちゃんの性格からして今更他の男にふらふらーっと気持ちが動くわけないし。今まで必死で追いかけてた相手が自分の彼女になったんだから浮かれるし。なにより、相手はあの不二だし」
何故かだか分かりませんが最後の一言にすごく納得してしまうのはどうしてでしょう?
「うぅ(悩)なんか気持ち悪い。わかるようで、わかんないっ!」
「そうだにゃー。簡単に言えば、両想いで浮かれてんだよ」
「英二……根本的に話がズレてきてるぞ」
「にゃ?」
「さんは、浮かれた不二をギャフンと言わせたいらしい」
「そうにゃの? どうして不二が浮かれてるかってコトじゃなかったの?」
「そうだよ(たぶん。わけわかんなくなってきた)」
「だったら簡単だにゃ!!」
菊丸くんは自信満々といった風に胸をはると
笑顔で言った。
「不二の予測を上回る行動をとればいいんだよ!」
もっともだ!!!!
「あのね、その方法ってゆーか……不二くんの予測って……(呆)」
近くの椅子に座って菊丸くんを見上げます。
何を言うかと思ったら…(溜息)
「だからソレはさっき言ったにゃ」
「英二?」
大石くんも呆れたように菊丸くんを見てます。
「ちゃんが不二より不二を好きになればいいんだよ!」
「…………は?」
不二くんより、不二くんを好きになる????
え? 不二くんって…自分大好き人間ってコトですか???
「英二…言葉がたりないよ。つまり」
カカッと先程の矢印が長くなる。
『不二――――――――――――→』
『―――→――――――――――――――→』
「こうなればいいってことだろ?」
「そうだにゃ☆これぞまさしく予想外!!」
「…………はぁ(溜息)」
はこの2人に相談したのが間違いだったと椅子から立ち上がり教室を出ようとした。
「……あっ」
その時、の視界に2人の人物が入ってきた。
それは
バカップル。
同じ学年ってだけで名前も知らないけれど2人のバカップルぶりは校内でも有名だ。
今は廊下でイチャイチャ話しこんでいる。
男の腕は女の腰にまわされ、女は男の頬をつついている。
校内だっつーに(怒)
2人はいいのかもしれないが関係ない人物からしてみれば見ていて気持ちのいいものではない。
「……ん?」
もう一度バカップルを見る。
ベタベタイチャイチャ甘々。
「……あっ」
これは、つかえるかもしれません。(ニヤリ)
廊下に出かけていた体を室内に戻すと悪戯を思い付いた子供のような笑みをうかべ
「これで不二くんにギャフンって言わせられます?」
大石と菊丸にコショコショと耳元で囁いた。
「…………え?」
大石くんは明らかに呆れていて
「おもしろそーにゃー」
菊丸くんは明らかに面白がっている。
「どうでしょか??」
「俺は……なんとも言えないな」
「いい! いい! 予想外の新展開ってカンジで」
「しかし、その案にはリスクもあるぞ」
突然別の声が降って来た。
「乾!」
驚いたように声をあげた大石くんの隣に立っているのは間違いなく乾くん。
「なんでいるの?」
先程別れたばかりなのに、とが疑問に思うと
「の行動はわかりやすいからな。相談に行くとしたら大石。で、そこで何らかの案を思いつくことくらい容易に推測できるさ」
データノートに何かを書き込みながら言う。
「で、リスクって何にゃ?」
「@不二に演技だと見抜かれる。
A不二が本気にする。
B…………」
そこで言葉が濁る。
「Bはなに?」
の言葉にパタンとノートを閉じ
「B不二に嫌われる」
「にゃははははっ! それはナイにゃ!! あの不二がちゃんを嫌うわけない」
「そうだね、不二が今更そんなことで嫌いになるとかは」
「無いとは言いきれないだろう。は今から不二に嘘をつくわけだから」
「…………やっぱりやめる」
不二に嘘をつく
乾くんの言葉が胸に刺さった。
不二くんの余裕はちょっとムカッとするけど
でも
嘘つくことはいけないし
「、自然にまかせるのが一番だ」
「つまんないにゃー。でもソレがいいかもね」
「そうだな」
「なんか変な騒ぎ起こしてゴメンナサイ」
ペコリと頭を下げ、上を向くと
「ふふふふっ」
「全く、いつでもは予想外の行動をとるね」
「不二くん!!」
「「「不二!」」」
ソコニ 不二クン ガイマシタ。
「なななななっ(なんでいるの?)」
「なんでって、さっきからずっといたよ(ニコッ)」
「いいいいいい(いつから?)」
「がココに来る前から」
「どどどどどど(どうして?)」
「何か企んでるのは明白だったから。きっと乾の所に行ってすぐ大石の所に来るだろうって」
「ぜぜぜぜぜせ(全部きいてた?)」
「うん(ニッコリ)」
「ほほほほほほ(本当に全部?)」
「うん。が僕をギャフンと言わせたくて、バカップル(女)の真似事を僕にしてみようって相談してたこととか全部聴いてたよ(にこっ)」
「!!!!(恥っ)」
「さぁ、おいでvv」
不二くんが両腕を開いています(汗)
「ああの……」
「バカップルの真似するんでしょう?」
ブンブンブン!!
力の限り首を横にふります。
「ホントには可愛いなぁ」
不二くんは腕を下ろすと鞄を持ち(教室に置いてきた私のもあります…)
「じゃあ帰ろうか」(拒否権を与えない微笑み)
「…はひ」
すごい哀れんだ瞳で私を見る大石くん達が見てます。
は笑い転げてます。
うううっ(泣)
誰か一緒に帰ってくださいよぅ。
私の願いは誰にも届かず、不二くんと2人で学校を出ました。
帰り道。いきなり
「ぎゃふん」
不二くんが言いました。
「え?」
「言ってほしかったんでしょう?」
「うあ゛っ(違うっ)」
不二くんはくすくす笑っています。
やっぱり
その
悔しいデス!!
悔しいもんは悔しいのデス!!!!
なんかこうっ! こうっ!!
「(また何か考えてるし)どうしたの? 何かいい案思い付いた?」
こうっ!!(なんとか表現したのけど、言葉がみつかりません)
乾くんにも言われた通り嘘はつきたくないです。
だとすると、嘘はつかず不二くんをギャフンと言わせる方法。
方法……
ほーほー…………
「(まだ考えてるし)?」
「…………(悩)」
「―っ??」
そういえば
『全部僕のモノにしちゃうから』
とか
『この前は服の上からだったけど、今度は……ね』
とかイロイロと過激(?)な発言を聞いてきましたが
不二くんはサッパリ私に手を出しません。
むしろ
告白前の方が触られてました(頬とか足とか胸とか)
????
いえいえ! 別に触られたいワケではないのですが
モチロン不二くんがそこまでやらしい人だとは思ってませんが
もしかして
これは思いこみでしょうか?
自惚れでしょうか?
私……大事にされてます?
だって少女マンガとかであるじゃないですか!
大事にしてくれてコッチの気持ちとかが全部追いつくまで待っていてくれる…とか。
だったら……嬉しいデス。(照)
っーか!!
違うっ! 違いますっっ
不二くんをギャフンと言わせる方法!
うーんうーん??
「答え、が自分のことを好きだって確信できたから」
「長年の片想い、その彼女に好きって言われたら……それが余裕の答え」
「つまり、余裕に見えるけど。アレで内心浮かれてるんだよ」
「不二の想いが強いってことだよ」
「簡単簡単♪もうわかってるんだよ。あとは待つだけでちゃんの気持ちが追いつくってこと」
「そうだにゃー。簡単に言えば、両想いで浮かれてんだよ」
「不二の予測を上回る行動をとればいいんだよ!」
「が不二より不二を好きになればいいんだよ!」
うーん……
皆さんの言ってくれた言葉が頭をまわります。
なにかいい案。案。案。(悩)
嘘をつくワケでもなく、自分の気持ちに正直に……
且つ、不二くんが思ってもいないような行動。
あっ
これなら確実に不二くんにとって『予想外』になります。
この行為は……その……演技とかではないですし
その……恥ずかしいケド
その
両想いとやらになれましたし
その
不二くんからは何もないですし
その
なんか先手打っときたいし!!(本音)
! いきます!!
辺りをキョロキョロ確認して誰もいないことを認識しました。
今です!!
「ふふふっふふふふふふっじじじじっっっ……く……ん」
「(何を思い付いたのかな?)なに?」
制服のシャツをつかんで
ちょっとだけ背伸びをして
ちゅっ
「……………」
「…………………………ででではっっ私はココで失礼します」
すばり
ヤリ逃げです!!
呆然と立ち竦む不二くんを置いて私は走って逃げました。
ええ! それはもう驚くほどの速さで!!
そっと自分の唇を指でなぞる。
つい数秒前、突然触れた温もり。
「…………」
自然と笑みがこぼれる。
そして
「ぎゃふん」
不二の嬉しそうな声が誰もいない路地に響いた。
***反省***
カレカノ編。第一弾。無駄に長い。
初チューです。(笑)
まだ早いかな?とは思いましたが
先手必勝!でしょう☆
今回さんキャラ壊れてます(笑)
いつもより多めに叫んでいます。
この2人、付き合いだしても甘くないですね…
といいますか不二様出番少ない…(殴っっ)
甘々目指して頑張りましょう。はい。