〔side不二〕
あんのバカ猫が、喋りやがった。
■気になること■
僕がちょっと目を話した隙に、本人曰くペロッと
「不二の元カノが戻って来るって」
言いやがった。
「ごめんにゃっ! ごめんにゃっ! ちゃん(元カノの存在)知ってると思ってたんだにゃっ」
泣きながら謝ってたけど、許さないよ。(ニッコリ)
が変な誤解してたら、わかってるよね? 英二。
とりあえず今しなければならないことはの所へ行くこと。
そして話すこと。
その結果次第では、わかってるよね? 英二
僕は大石に泣きつく英二を見捨てての元へ急いだ。
「不二くん? どうしたの?」
急いでの元へ行くと、はあっさりと僕を迎えた。
「あのね、」
「はい?」
いつもと同じ笑顔。
どうやら怒ったり悲しんだりはしていないみたい。
「英二に聞いたんでしょ?」
あ…
一瞬表情が曇った。
やっぱり気にしてる。
僕の『元カノ』ってやつを。
「えっと…元カノさんが戻って来る。とだけ聞きましたけど…その」
困ってる。
どう反応したらいいか、わかんないんだ。
「聞きたいことある? あるなら全部話すよ?」
そう。になら全部話すよ。
過去の恋愛…いや、恋愛と呼べるようなモノではなかった。
でも結果的に彼女は僕の元カノというポジションにあてはまる。
その彼女について、知りたいとが言うのなら全部話す。
そして今の僕にとってがどれほど大切か教えてあげる。
「えっと…特に知りたいこと…というのは……」
そう言うとは思ってたけど、ここまであっさりしていると僕は少し悲しいな。
少しくらい嫉妬を表に表してほしいと思ってる。
つくづく欲張りな男だ、僕ってやつは。
「ああのっでも…ひとつだけ…いいですか?」
「なぁに?」
「元カノさんは…その…『元』ですよね?」
…………。
どうしてはこんなに可愛いんだろう?
顔を真っ赤にして、そんなことを訊いてくるなんて
「『元』だよ。今はだけ。これからも、ずっと」
そう言うとはにっこりと微笑んだ。
よかった。
そう――心から思う。
〔side〕
「不二の元カノが戻って来る?!」
そんな普通ならビックリするはずであろうことをはあっさり言った。
そして、そのことを詮索もせず まったり としている。
「そうみたい。菊丸くんが言ってた」
「戻って来るってドコから?」
「知らないよ」
「どんな女なの?」
「知らないって」
ホ ン ト に こ の 娘 は っ(怒)
ぼやぼやしてて肝心なトコロが抜けてるんだから!
普通なら、気にすること沢山あるでしょう?
ドコかに行っていた元カノが戻って来る。
そうなると一番気にしなければなせないことがあるでしょう?!
「その元カノがヨリ戻そうとしたら、どーするの?!」
だって相手はあの不二周助。
青学で一・二を争うモテモテよ?!
「え? でも不二くんは『元』だって…」
そうね! そうだとも!!
不二が今更と別れて元カノのトコロに行くなんて考えられないよ?
考えられないけど
私が気になるのは
相手の女。
あの不二と付き合ってた女。
ただ者であるはずがない。
(だって普通に考えてそうでしょう? あの不二と付き合ってたんだよ?!)
もし、もしも
その元カノが不二とヨリを戻したがったら、どうなる?
その女にとって一番邪魔者は誰?
それは疑う余地もなく、。
嫌な予感がする。
「ねぇ、乾から聞き出しちゃおう!」
「えええ??!!」
相手がどんな女か知っておいて損はない。
むしろ、もしもに備えられる。
〔side〕
にぐいぐい引っ張られて向う先は乾くん。
どうやら不二くんの元カノについて聞き出すみたい。
別に私はどうでもいいのに。
だって、元だし。
今ではないんだし。
だから、本当に知らなくてもよかったのに。
「不二の元カノが戻って来るって聞いたんだけど」
「、それが人にものを頼む態度か?」
「いいから吐け」
に脅されて乾くんが淡々と話し出した。
「には以前、不二が中1からのことを想っていたという話はしたよな?」
「はい、そんなことを聞きました」
「不二がを好きになったのが中1の夏前。そして不二が……っと……名前は伏せておこう。彼女と付き合っていたのが中1の梅雨頃」
……どうして名前を伏せるのですか?(あ や し い っ)
「梅雨の時期に1ヶ月ほど付き合っただけだ」
「それで?」
「他に何が知りたい?」
「その女、不二の素は知ってたの?」
「さすがだ。そこが重要。彼女は不二の本性を知っている」
「チッ…面倒ね」
「そうだな」
なにが?
なにが面倒なのでしょう?
ああもうっわかりません。
乾くんとってデキてるのではないのですか?
だってだって、私には理解できないレベルで話しますし、仲いいですし!
「じゃあ最後に一つだけ」
「なんだ?」
「別れを切り出したのは?」
「不二からだ」
「相手は?」
「…………」
「相 手 は ?」
「拒んだまま、親の仕事の都合で転校」
「更に面倒ね」
「ああ」
「…確率は?」
「94%」
〔side乾〕
94%
それが彼女が不二との関係を修復したいと願っている確率。
彼女が不二の本性を知らない、上辺に惚れて上辺だけの不二と付き合っていたのなら俺もも何も言わない。
心配する必要がない。
しかし
彼女は違う。
恐らく、この学園で初めて不二の本性を見た人間。
そしてそれを愛した。
短い期間とはいえ、あの不二と対等につきあったのだ。
優しさの欠片もなかったあの頃の不二と。
それは…まぁこの際どうでもいい。
何より問題なのが、彼女自身なのだから。
俺は知っている。否、俺達と言った方が正しいだろう。
あの場にいた者のうち、誰か1人でも忘れた者がいるだろうか?
不二と別れた(と言っても不二か一方的に別れを告げたのだが)彼女が引っ越す当日に部室にやって来て言った一言。
「周助は私のモノ。誰にも譲らない。あなたたちにも、テニスにも」
幸か不幸かその場に不二はいなかった。
いたのは俺と手塚と大石。
口元だけにうっすら笑みを浮かべて言った一言。
異常なほどの愛情と憎悪を含んだ声。
中1の少女の発するモノではなかった。
その彼女が戻ってくるというのだ。
一波瀾ない方がおかしい。
「さぁ、どうしようか?」
と自問してみる。すぐに答えは出る。
そう、俺の答えはただ一つ。
長い付き合いというわけではないが、どうやら俺は(俺達、だな)という人間を気に入っているようだ。
だから
もし
彼女が の敵に回るのならば容赦はしないだろう。
〔side不二〕
戻って来る。
そう英二は言った。
この時期に。中3という大事な時期に。
しかも中途半端なこの時期に。
何をしに?
理由は気になる。
しかし
彼女が戻ってくることには何も感じない。
嬉しいとも煩わしいとも思わない。
なぜなら関係ないのだから。
でも、今やるべきことはある。
まだココに戻ってきていないのに英二にどうやったのか「戻って来る」と言わせた。
宣戦布告。と受け取っていいのだろう。
あの女は何かを考えている。
そして
実行する為に戻ってくるのだろう。
そういう女だ。
アイツは僕と似た部分がある。
僕がに対して、そうであるように
好きな人の為なら、なんでもできる。
アイツがまだ僕を想っていたら…
厄介だ。
「英二?」
「にゃっ!!」(ビクゥッ!!)
「に感謝するんだよ?」
「にゃ??」(ビクビク)
「奴等(妖精)は出さない。そのかわり…」(ニッコリ)
「…………にゃ!!」
そのかわり、今度の日曜にと遊びに行くから、くれぐれも邪魔の入らないようにすること。
できなかったら…………わかってるよね?
英二をつかって用意を整えるとに会いに行く。
そして
「、日曜遊びに行こうか?」
と言うと
は顔を真っ赤にして、そしてブンブンと音が聞こえるくらい首を縦にふって
「はいっ」
そう、返事をしてくれた。
その笑顔が見れるだけで僕は幸せ。
その笑顔を守るためなら僕はどんなことでもする。
ねぇ、?
僕は絶対、きみを悲しませたりしないから。
これから先、何があっても絶対僕が守るから。
だから、ずっと 笑っていて
***反省会***
ど う し た ?
不二様には珍しくシリアスモード(笑)
今回読みにくくてスミマセンッ
視点かわりすぎですっ(>Д<)
でもかえないと、それぞれの『気になること』と『どうするか』をあらわせなくてっ
もう笑ってしまいますね。あはははは(壊)
『元カノ』が出張ってますが、前回でも書いた通りしばらく出てきません。
次回は初デート(二人きりでの)の予定ですv
そんなこんなで続く不二様連作。
いつまで続くのでしょう??
コワコワッ(>_<;)