「あらあら、周助君の彼女?」


ただ今私は不二くんと不二くんの家に向かっているのですが…(家の場所知らないので迎えに来てくれたのです)


「はい。可愛いでしょ?」(ニッコリ)


私は不二周助の恐ろしさを思い知りました。

不二くんの家に近付くにつれ、出会うご近所の
奥様方

どうやら皆さん、
不二くんファンのようです!!(校内だけではなく人妻まで!)

「あら、アイドルとられちゃったわ」
みたいな発言を何度も聞きました。

人妻のアイドル! 不二周助!!

ああっ恐ろしやっ!

奥様方、この人は『魔王様』ですよーっっ

声を大にして叫びたいです!!(でも絶対信じてもらえないっ)




■ふじさんち の しゅうすけくん -後編-■




そんなこんなで奥様方と戯れつつ、不二くんのお家につきました。

『不二家』ってカンジです!!(こんな表現しかできませんっ)

「どうぞ」

不二くんに促されてお邪魔します。

やっぱり『不二家』ってカンジです!!

「誰もいないから、遠慮しないでね」
「はい」

うわぁうわぁ。なんか『不二家』はとってもイイ感じです!
こんな環境でどうやったら『魔王』が育つのかとってもとっても不思議です!!

「きょろきょろして、何か面白いものでもあった?」
「ああっすみませんっ」
「謝らなくてもいいよ。えーっと…じゃあ飲み物でも取ってくるから僕の部屋で待っててくれる?」

部屋はあそこ、と指差され不二くんはキッチンへと消えました。

うーん…

部屋で待ってろ。と言われても……
勝手に入るわけにはいきませんよね。

ということで部屋の前で不二くんを待つことにしました。




「はぁv」




この空気好きですvv

不二くんのお家。不二くんが住んでいる場所。




「いいなぁ」





「何がいいの?(入ってていいって言ったのに。可愛いなぁは)」
「このお家。空気とか、なんだかとっても居心地いいです」
「そう? そのうちもここの住人になろうねvv」
「(
流す!)あっじゃあ、お部屋お邪魔します」
「(
流された!)どうぞ」





…………あっれー?



これはどうしたことでしょう?

想像と違うぞ?

もっとこう、照明が暗くて床には魔方陣があって本棚には黒魔術系の本が並んでて人体標本(白骨も可)なんかがあったりするような部屋を想像してたのに!

いたって 普通!!

「予想外って顔してる」
「そそそそっそんなことないですよ! ハイッ!!」
「(何か想像してたんだ…)まぁいいや。好きなところに座っていいよ」

好きなトコロ…と言われても…困りますよね(汗)

うーん……(悩)

悩んだ挙句、その場に座り込みました。
別に座っておかしい場所ではないですし

「ソレに座ってよかったのに」(くすくす)

あぁなんだか笑われてますよ、私……
ソレってソレですか。
ロッキングチェア。
いえいえ、そんな恐れ多い事できませんっ!!

不二くんは笑いながらロッキングチェアを移動させると、私の隣に座りました。
そしてニコニコしてます。

うっわー
すっごい見られてます。
見られてニコニコされてますっ(どう反応しろというの?)

見られると…行動しにくいのですが……(滝汗)


「……不二くんのお部屋……不二くんって感じがします」
「なにそれ?」(くすくす)
「特に深い意味はないのですけど……。あっ」
「どうしたの?」
「写真」

壁に写真が飾ってあります。
んー?
これ…どこかで見たことありますよ?

「ああコレ? 僕が撮ったんだよ」
「ええええ?!」
「趣味、写真。知らなかった?」
「はいっ」(キッパリ)
「(……そうだろうとは思ってたけど)」

不二くんが撮った写真なら(生息範囲がご近所の)私だって見たことある風景です。
謎が解けてスッキリ。

「不二くんが撮った写真見てみたいですv」
「いいよ」

快くOKしてくれたので、写真をたくさん見せてもらいます。

風景写真が多いです。
うーん…魔王様が撮ったモノとは思えない。(心霊写真とかあると思ってました)



と思ったのですが……


えーっと……不二くん?


ニコニコしながら写真を見せてくれてるのですが


オイ?


チラチラまぎれてるのって……私じゃないですか?

しかもコレとかアレとかソレとか最近のじゃないですよね?


ヲイ!!


ど う い う こ と で す か ?!(怒)

と、怒りたいところですがココで怒ってはダメです。

余計な体力は使わせないって決めてるのです。

ということで流します!

もう全て今日は流します!!




「あっもうお昼です」(流すったら流す!)
「そうだね、昼食どうする?」
「うふふふv」

さぁて本日のちゃん作戦@。

「えっとですね、室内でこういうのはちょっとどうかな? と思ったのですが」
不思議そうに私を見つめる不二くんの視線を受け止めつつ取り出したのは
「お弁当なんてもの、作ってみました」

「…………」

あらーん????

は ず し た ?

不二くん、絶句です。

イタタタターッ(滝汗)

作戦失敗? 失敗ですか?

「……やっぱ、ナシで!」
「なんで?!」

ツッコミはやかったです。
ん?

「不二くん?」

んー? 不二くんの様子が変ですーっ
どうしたのでしょう?

「…嬉しい」
「は?」
「凄く嬉しい」

・・・・・・・・・・!!!!!!

どうした?! 不二周助!!

今の反応可愛いぞ!?(ドッキーン)

「食べて、いいの?」
「えっ? うん……だって不二くんの為に作ってきたし」
「(僕の為! 
為!!)…いただきます」


作戦@、成功。(ニヤリ)


「おいしい。は料理上手だね」
「家庭科は得意なのです」
「いいお嫁さんになれるよ。を奥さんにできる僕は幸せ者だなぁ」
「(
笑顔で流す!)たーんと食べてくださいね」
「(
また流された!!)」

今の所、不二くんには気づかれてないようです。
楽しそう(嬉しそう)に食べてます。


さてさて食べ終わって少し経ったらちゃん作戦Aです。
これが本当の目的。


「ごちそうさまでした」
「おそまつさまでした」
「本当においしかったよvv」
「ありがとうございます」
「いい奥さ…」
「(
だから流す!)さーって、不二くん」
「(
……もういい)どうしたの?」
「映画観ましょう!」
「映画?」
「DVD持ってきたでーすっ」
「DVD? ああじゃあ、裕太の部屋からPS2持ってくるね」
「…ユウタ?」
「弟vv可愛いんだ。いつか紹介するね」
「え? ああ、はい」
「学校違うんだよ。裕太はルドルフに通ってるんだ」
と言いながら部屋を出て行かれました。

はぁーそうだったのですね。ふむふむ。
弟さん、ユウタさん。
覚えておかなくちゃです。うんうん。

そして数分も経たないうちに不二くんが戻って来て準備が整いました。



んふふーっv

私が持ってきた映画はハッキリ言います。
単調です。
ハッキリ言います。
観てると眠くなります!!

それが狙いだったりします!!!!(ニヤリ)

ちゃん作戦A。不二くん、疲れを癒すために寝てください! です。
せっかくの日曜なのです。
日頃疲れているでしょうから少しでも休んでいただきたいのです。

ということで始まりました。フランス映画。
単調ですよー。私だって最後まで見たことないです。(笑)

不二くんはジーッと見てます。
最初はそんな感じです。でも1時間もすれば…もう……(ニヤリ)











はいはい、映画開始して45分経過しました。
私そろそろ眠いです。(ダメダメです)

この辺でしょうか?

ちゃん作戦Aのオプションです。

「不二くん」

映画の邪魔にならないよう小声で呼びます。

「?」

こっちを見た不二くんに


ポンポンッ


膝をたたきます。

ようするに『カムカム』ってことです。


「…?」


ああもうっ恥ずかしいっっ
こんな大胆なことっっ!!(赤面)



ぽふっ



顔を真っ赤にする私を笑いながら、不二くんの頭が ゆっくり 膝の上に乗りました。

そしてそのまま映画を見ます。

私の心臓はドキドキバクバクです。
それはもう眠気はふっとびました。

不二くんはというと、ジーッと映画をみてます。

……おもしろいですか?(疑惑)











さらに30分経過。

不二くん、まだまだ見てます。

うーん?

これはどうしたことなのでしょう?

もしかして不二くんこういうの好き?

だとしたら、しくじりっ!(ガーンッ)















さらにさらに10分経過。

んんっ?

不二くんの瞬きの回数が多くなりましたよ?

これは眠くなりました?

むふふーっvv(ニヤリ)

作戦成功ですか?













さらにさらにさらに5分後。

完全に目を閉じました。

軽く寝息をたててます。

作戦成功です。

不二くんを起こさないようにそっとリモコンに手を伸ばして音を小さくします。

これで、よしですね。

あとはこのままずっと眠ってくれればいいのですが



……。



眠った人を観察するのって良くないのですが、することないので観察してしまいます。

長い睫毛、綺麗な肌。

うわぁ憎らしいっ(女の私より何もかも上回っています)

「……綺麗な人」

小さな小さな声で思わず呟いてしまうほどです。

……なんだか触りたい衝動にかられます。

でも我慢です。我慢我慢。

触ったりしたら起きてしまいます。

ってことで意識を映画に集中させます。



う゛ぁっ……



ねむっ……



この映画…子守唄映像版のようです。



眠いです。




今日、お弁当作る為に早起きしましたし……






眠いです……でも寝ちゃダメです。







そこでプツッと私の意識は途切れました。
































「……ん?」

ふと意識を取り戻した私は……

「ああっっ!!」

ビックリしました。

この体勢は……いったい?

さっきまで確実に私が不二くんに膝枕してましたよね?

なのに、何故

私は不二くんに膝枕されてるのですか????


「ふふふふふふふぢくん?」
「おはよう」(ニッコリ)


こ れ は っ !


「すすすすすすみませんっっ」


カバッと起き上がります。

そんな私を見て不二くんはクスクス笑っています。


? 今何時でしょ?」


え?


窓を見れば、暗いです。

時計を見れば6時過ぎ……

6時過ぎ?

6時過ぎ!!


「えええええええ????」


映画を見だしたのが昼過ぎ、不二くんが眠ったのが2時30分くらい?

で、私が眠くなっちのが3時前……

3時間は寝てますっ!!(サイテイッ!!)


「ちなみに僕が起きたのは5時頃」(超笑顔)
「なっ! どっ!」
「どうして起こさなかったって?」
ブンブンッ(首を縦に振る)
の寝顔見てたかったからvv」
「なっっ!!!!」
「可愛いvvvv」
「ばっ……ばか――っっ」


そんな感じで日曜日は終了。

これははたして不二くんにとって ゆっくり 休みになったのでしょうか?

ちょっと不安ですが、まぁヨシとします。
























これは後々、不二くんから聞いたのですが

「不二さん家の周助くんに彼女ができた」

と奥様方の間で噂になったそうです。


人妻キラー不二周助。


不二さん家の周助くんは、はかりしれません。















***反省***
反省し過ぎるくらい反省したい文↑。ううっ(;Д;)

コレを書いている時、浮かんだ疑問。
不二様の部屋でDVDは見れるのか?
で、私が出した結論はテレビでなくパソコンで見てそう。です。
なので今回はテレビで見る為にPS2。(笑)

あとアレ。映画。フランス映画は単調っていうのは偏見です。
私がちょっと前に見たフランス映画がえらく単調だったのですよ。
それでです。
フランス映画=単調。ってことではありませんので(笑)