自分を守るには
敵を知ること。
敵の術に対する知識を持つこと。
味方を見つけること
■有言実行■
できることなら教えてあげたい。
はぁvv不二君って王子様みたい
などどぬかしていた自分に。
奴は悪魔だと。
私の淡い初恋は実った穂を無理矢理悪魔によって引き千切られた。
そして悪魔は笑った。
「は僕のモノ」
と。
ハッキリ言います。イヤです。
悪魔のモノにはなりたくないです。
というかコワイ。出来ればすぐにでも転校、否、この悪魔のいない世界に行きたいです。
私は悪魔によってもたらされた失恋から最悪の人生を送っています。
まず、この悪魔とデキているという噂から悪魔ファンにシメられました。
悪魔の呪により私の好きだった(もう過去です。忘れようと努力しているのです)人は転校…………
…(ゴメンナサイ。私が好きになったばっかりに)しかも転校前は1週間近く原因不明の病に
侵されていたとか…………(憐)
一番最悪なのが
「さっきから何考えてるの?」
そうです。
この男(いえ人間という概念から外れています)が最近私の傍から離れないのです……
「何? 僕に言えないようなこと考えてたの?」
ニッコリ笑っていますが騙されてはいけません。
これはアレです。
毒を持つモノ程美しいってヤツです!
「?」
「…………」
なんといいますか、会話はしたくないのです。
私の発する言葉全てがこの悪魔に弱みを見せつけるようで……
これ以上。つけこまれるワケにはいかないのです。
私はハッピーライフを取り戻したいのデス!!!!
「あのっ不二君」
久しぶり(でもないですけど)私から話しかけてみました。
不二君は笑顔のまま私を見ています。
「きっ今日は委員の仕事があるのででで…ぶっ部活の方の応援(来いと言われたのです)は行けないのですが……」
あぅっっ(泣)コワイです……
いつも笑顔なので表情から心理を読み取ることが出来ません……
「うん。わかった」
??
おぉっこれは王子モードです。
どうなさったのでしょう。
悪魔モードならば
「はぁ? 僕と委員会どっちが重要?」
などど言ってくるのですけど。
とっとにかく一安心です。
今日の私にはやらねばならぬコトがあるのです!!
「じゃあ…さ。部活中に会えないんなら」
ポフポフと芝生を叩きます。
はて??
「昼休みくらい、いいよね?」
ここっこれは、もももももしやっっ
昼食も済ませました(不二君と一緒に)あとは昼休み終了の鐘が鳴るまで私に自由はあり
ません(泣)
ポフポフされてます=ココに座れ。
ということは……
「真下から見上げるってのもいい気分だね」
やっぱりです。
こうきました(号泣)
膝枕です。しかもココは皆が楽しく昼食を取ったり出来る中庭でございます。
つまり、皆に見られています。視線がイタイです。
今日辺りまたファンの方々にシメられるかもしれません。
前回呼び出しを受けた時にはイロイロな暴言を吐かれました(涙)
殴られそうにもなりましたけれど、その時、不二君がフラッと現れてやんわりと助けてく
れました。
やんわりデス。つまり悪魔の片鱗も見せなかったのです。
ファンの方々よかったですね……
「ねぇ。この頃、元気ないね」
えぇ。全てアナタ様のせいです。
「が元気ないと……」
ないと、なんですか?
「イヂメがいがあって楽しいなぁ♪」
でやがりました悪魔モード。
「そうだ。」
「?」
昼休み終了の鐘とともに悪魔はこう言いました。
「委員会終わったら部室前ね」
神様、どうやら今日も逃げられません。
私は授業が終わると走って図書室に向かいました。
理由はひとつ。
あの本を読むため。
『左手による攻防』
ゴメンナサイゴメンナサイ。テニス部の皆さん。
正直、貴方方全員がこの本を読んでいたことを知った時『変な部』だと思ってしまいました。
そうだったのですね。
貴方方は悪魔の存在を認識していたのですね……
私も見習わせていただきます。
この本によって悪魔に対する術を手に入れたいと思います。
私は本を持って図書室の片隅に座り込みました。
おおっぴらに閲覧しているところを不二君に見つかったら大変です(ブルブル)
さてさてお勉強の開始です。
自慢にはなりませんが私の頭はソコソコです。スバ抜けて良いでもなく普通でもなくソコソコです(ホントに自慢にならない)
ですから、たぶんちょっとくらいなら内容も理解出来ると思ったのですが
甘かったようです。
ワケがわかりません。
長い難しい人名が綴られ、不可解な文様が刻まれ、陣が描かれています。
もしかして、高等レベルですか?
「あっ」
閃きました。
私は棚を見つめます。
やっぱりです。あります。大量に。
黒魔術の本…………(司書の先生……なんでこんなにあるんですか?)
『だれでもわかる、くろまじゅつ』
という本を手にとって見ました。
やっぱりです。
感激です。
その本の貸出カードにはテニス部レギュラーの名があります。
皆さん基礎から勉強されていたのですね。
??
不二君の名前はありません。
あー。そうですか。
わかりました。
悪魔に基礎は必要無いということですね(ガタガタ)
『だれでもわかる、くろまじゅつ』
この本ペラいくせになかなかのツワモノです。
難しいです。
「生贄として……ニワトリを…………はぁーそれで壁が……(ふむふむ)」
……? ニワトリ??
『にゃんこさんにいぬさん。にわとりさん』
アレは……生贄選別の為の資料だったのですか??
わっ忘れましょう……おおおっおそろしやっっっ
「(気を取りなおして)……わっわが右手に応えよ?」
むー? わっわかりません。
「ふふっソレじゃ天が味方しちゃうよ?」
ビクッッ
ミツカリマシタ?
はい。みつかったみたいです。
「不二君……」
「以外だなぁ、そんなモノに興味があるんだ」
いえいえ滅相もございません。
興味というか身を守る為に仕方なかったのデス。
「あっあの」
ここは話題そらし作戦です!!
「部活はいいんですか?」
窓越しに部活生の声がします。
もちろんテニス部だって部活中です(だから私はこの時間を狙って本を読みに来たのです)
「あぁ。抜けてきたよ」
手塚君、アナタも悪魔に脅されてます??
「のことが気になってね」
あぁ。この笑顔を純粋に見れなくなった自分が悲しいです。
「そうそう。手塚に言って部活早目に終わらせるようにしたから、あと1時間後くらいに部室前。わかった?」
「…………(手塚君でも悪魔にはかなわないのですか??)」
「わかった?」
「……………………ハイ」
神様……私に人権をください。
不二君が去ってから30分。私は図書室を出ました。
なぜ? って部室に向かう為デスヨ(暗)
キッチリ1時間後に行こうものならば
「遅い」
って絶対言います。あの笑顔で……
おおっ恐ろしいデスッッ
にしても、30分前というのは早すぎたかもしれません。
15分くらいでよかったです。
まだテニスコートに沢山の部員の方がいらっしゃいます。
「あ」
フェンスの奥からではなく私の後ろから声がします。
「?」
振り返ると
「越前…君?」
だと思います(汗)
「ちっス」
「……こんにちは」
ななっ……なんでしょう?
噂に聞いていた越前君とはこんな方でしたでしょうか?
小生意気だときいていました(失礼ですね。反省します)
「不二先輩ならもう部室っスよ」
「……………………………………そっそうデスカ」
ななっなんといいますか
空気がビミョーです。
「あの」
「ハイ?」
「……ご愁傷様っス」
…………うぅ(泣)
「お心遣いありがとうございます(人の温かさが身にしみます)」
「(これ以上話すと奴等が飛んでくるな)じゃあ」
越前君は走って行かれました。
王子です。ちっちゃな(失礼)王子様デス(新発見)
「あーっだーっ」
今度はフェンスの中からです。
「……菊丸君?」
「どうしたのー? って……そっか。そうだよね(不二に気に入られてるんだったね)」
「(気に入られたというか……オモチャ発見ってカンジです)……ハイ」
「大石―っ来て来てーっっ」
突如菊丸君が飛び跳ねます。ビヨンビヨンです。
「なんだ英二……あ」
大石君と目が合います。
「もしかして……さん……?」
「コンニチハ……」
「そうっ! この子が噂のだよーっ」
菊丸君の声にテニス部全員がコッチを向きます。
あぅっ(泣)ものすっっごい可哀想な奴を見る目で見られています。
「さん……頑張ってね」
「はひっ(泣)」
テニス部の方々はなんと心の優しい方なのでしょう。
「そそっそれでは、私は部室前に向かわせていただきます」
「「うん(カワイソウ)」」
菊丸君と大石君の声がハモります。さすがゴールデンペアです。
ものすっごい足が重いです。
部室に向かうことを体が拒否しています。
でも着いてしまいました。
テニス部部室前でございます。
「…………」
「………………」
声がします。
話し声です。
部室の中からです。
ダメです。このままココにいたら立ち聞きしてしまいます。
私はそっと離れようとしましたが
「……」
自分の名前が聞こえました。間違いなくこの声は不二君デス(滝汗)
「不二の……」
そして不二君の話し相手は手塚君のようです。
たたたっ立ち聞きは悪いことです。
しかし、私の名前が聞こえた以上気になります。
コッソリ聞き耳をたててみました。
「いつもの傍にいることが最善だとは思えないのだが」
「でも一緒にいなかったらまた呼び出しうけちゃうよ」
「では、今の時間はどうなる?」
「いつもは部活見に来させてるから」
「今日は来てないではないか」
「大丈夫。妖精を見張りに送ってるから」
ババッと私は周囲を見渡します。
よよよっ妖精とはいったい何なのでしょう??
「とにかく、手塚が心配することじゃないよ。それとも何? に気があるとか言わないよね(開眼)」
「否……」
なんといいますか……
今の会話は…………
ちょっとだけ
ちょっとだけですよ。
嬉しかったデス。
不二君も少しは私のことちゃんと人間として思ってくれてたのですね(感動)
「じゃあ僕は帰るよ。外でが待ってるみたいだから」
ギックーンッッ
ババッバレていましたの? 私がココにいたこと。
ガチャ……
「立ち聞きはダメだよvv」
「………………………………はひっ」
スタスタと歩く不二君の2歩後ろを私がついていきます。
もう慣れました。不二君と一緒に帰ることには。
一緒に帰ってくれるのも、今思えば不二君ファンから守ってくれているということなのでしょうか?
なんだか少しわかった気がします。
不二君の遠回しな優しさが。
そして、もう一つ。
最近気付いたんですけど
不二君は……歩幅を合わせてくれます。
同じスピードで歩いてくれます。
こういうトコロは『不二君』です。
なんだか、守っていただけるというのは嬉しいです。
むむむっっ????
私なんか気付いちゃいけないこと気付きました??
ちょっと待ってください。
不二君は先程「傍にいることでを守る」みたいなことを言っていましたけれど
元を正せば誰のせいで、私は危ないのデスカ?
答: それは某悪魔様が私のコトを気に入ったなどという噂が流れたからデス。
正解です。
では、その噂を流したのは誰でしょう?
…………あっ(疑惑)
「ふふふっ不二君?(疑)」
「なに? 」
「もももももしかしてて、ふふっ不二君と私が付き合ってるなどという噂を流したのは」
「ああ。僕だよ(サラリ)」
ズガシャ――――――――ンッッ(やっぱりでぇすかぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
「僕はのこと好きなんだから、先制しとかないとね♪(にっこり)」
ああああっ甘いデスッッ
不二君!!
もし私がアナタのファンだったなら
もし私がアナタの魔の部分を知らなかったら
グラリvvとしてしまうかもしれませんが
私はよぉーく知ってます。不二君アナタが悪魔様ってコト☆
「わわわっ私は、不二君のことそんな風には思えませんっっ」
自ら生贄(?)になんてなりたくありませんっっ
「思えないじゃなくて、僕のコト想わずにはいられないにしてあげるよ」
こっこの余裕の笑みはなんなんでしょう??
イヤです。イヤです。
ファイトです!!勇気を出すのです!!
「私、絶対不二君のコト好きにはなりませんから」
不二君の薄く開いた瞳を見ながらいいます。
ちゃんと真顔で不二君の顔を見るのは初めてかもしれません。
「じゃあ覚悟しといて。絶対僕のこと好きにさせてみせるから」
勝負です。
これは私の人生をかけた仁義無き戦いです。
まっ負けられませんっっ
「そーだ」
不二君がニッコリ微笑みます(コッコワッッ)
「が落ちたあかつきには……ね」
………………なななっなんですかっっ??
「全部僕のモノにしちゃうから」
不二君は「それまで我慢することにしとくよ。おもしろそうだから」などと言いながら歩
いて行きます。
「あっあのっっ」
今のはどーゆー意味デスカ??
とととっとにかくっ
まままままっ負けられませんっっ
この勝負
絶対に負けられませんっっ
よっ……妖精さんとやら
私の味方になっていただけませんか??
うぅっっ(泣)
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不二様今回も最強。
まだまだ続きそう……
続けていいのでしょうか??
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