学校では
「っだー??!!」
さんの怒りの叫びが響いていました。
さんは今日は図書室の本の在庫調査をしています。
「ない…ない…ないないなーいっ!!!!」
本の数が合わないのでさんはお怒りモードです。
「んもーっ!!」
珍しく怒っているさんに
「あ…ちょっといいかな」
おずおずと声をかける一人の人物。
「あ゛?!」
さんが物凄い形相で呼ばれたほうを向くとそこには
「こんにちは、さん」
大石さんが立っていました。
さんとは対照的な青白い顔で……
「大石くん? どうしたの?」
あまりの顔色の悪さにさんは本の事をコロリと忘れ、通常モードへと戻ります。
「今日は…話したいことがあって会いに来たんだ…」
「はい? どうしました? また不二くんが何かやらかしました?」
「……まだ…やらかしてないけど…」
“まだ”という言葉が引っ掛かります。
ああ…“これから”か…
さんの表情までも暗くなります。
「さん、忘れられないとは思うけど…覚えてる? あの…動物園」
「動物え…ん…あ゛ぁ゛…」
不二くんと跡部くんが召喚しまくって『地獄絵図』って言葉はこんなことを言うのね☆って思ったあの動物園のことでしょうか?
「今度…別荘…行くって話聞いてるよね」
「知リマセン!!」
「……」
「全然全クサッパリ聞イテマセン。私ニハ関係ノ無イコトデス!!!」
「……さん」
「ウワー皆サンデ別荘デスカ。ヨカッタデスネ。タノシンデキテクダサイネ。私ハオトナシク家カラ1歩モ外ニ出ナイデオキマスカラ!!」
「……まぁさんも行くわけなんだけど」
「デスカラ知リマセンッテ!」
「知ってた? 別荘、跡部もいるんだって」
「はぁ…そうなんですか」
「あと、鳳も」
「ちょたくんも?!」
「さんが来なかったら鳳、大変だろうね…不二と跡部にはさまれて」
弟のように可愛い可愛い鳳少年がどんな目に合うかなんとなーくわかります。
わかるのでさんの心はグラつきます。
そんなさんの様子を見て大石さんは言葉を続けます。
「それと…立海大と六角とルドルフからも来るらしいよ」
「ドコの学校ですか? ソレ」
さんはよく周りの学校を把握していません。
「不二の弟とか来るよ」
「え?!」(どっきーん)
さんは一度不二さんの弟さんを見たいと思っていました。
さんの心は更に揺れます。
「あと…………」
大石さんはさんの耳元で囁きました。
「え?」
さんは自分の耳に入った名前に目を見開きます。
「なん…で…え?」
「あっ、不二は知らないよ。知ってるのは俺と乾だけ」
「……え??」
「さんがさんと話してるのが聞こえたって乾が言ってた。で、今回来ること教えといた方がいいと思って。乾は、さんにつかまってて言う機会がないだろうから俺から」
「……う…ん、そっか」
「会いたく…ない?」
「…そういうわけじやない…よ」
「不二は絶対来いって言うよ」
「うん」
「どうする?」
「…うん」
「俺達はさんに来てほしいけど、会いたくないなら…」
「……いく」
「大丈夫?」
「いい機会だし。こんな時じゃないと会えないし」
「うん。行く」
はたしてさんは『誰』との再会に困惑したのでしょうか?
それも気になりますが『不二弟』とさんの初顔合わせもどうなるのでしょうか?
鳳少年は無事でいられるのでしょうか?
まぁどうなるかは来週から行く『皆でぶらり別荘へ〜テニスにあけくれたりあけくれなかったり〜』で明らかになったりならなかったり…
さてさてどうなる夏休み…。
アコもわかりません(苦笑)