夢を見た。
幼い頃の夢を見た。
お母さんと出掛けた先で迷子になった時の夢。
その時に――――…
■合宿・全員集合?■
頬に熱を感じた。
くすぐったくて、柔らかな感触。
「……ん」
目を覚ますと隣には
「おはよ」
がいた…。
「……なに?」
まぁいつものことなので深くツッコミはしない。
今が何時なのか知りたくて時計代わりのケータイを探す。
時刻は7時。
そろそろ起きないと。
「今日、着くみたいよ」
立ち上がったの代わりがベットに横になる。
「……」
「着くよ。今日。彼」
あぁ、そうか。
今朝の夢は。
「うん。ありがと」
ドキッとした。
ずっとずっと忘れられなかったあの人。
あの人か……
ほんと……
忘れたくても忘れられないアイツが……
その日のは一味違った。
いつも、ほんわかとした雰囲気は無く
今まで見たことも無いようなキリリとした表情。
まゆ毛の角度もやや鋭角だ。
そして窓の外をキッと睨み付ける。
「どうしたんださん」
「なんか…こわい?」
いつもと違うに皆も戸惑う。
そしてそんな様子に不二周助は
「僕の出番ではないみたいだね」
と微笑んでいる。
「あら余裕ね」
が不二に声をかける。
「余裕というか……まぁ好きにしてもらおうかと」
「聞いてないの? 何も?」
「ああ」
「ふーん」
がニヤリと笑う。
その顔を見て
「何を知ってるの?」
「あら。余裕の仮面で隠してた本心見せていいの?」
フフフフフ、と2人が微笑む。
ヒュォッと風が吹き、パシンと小さな音がする。
目には見えない『何か』が2人を取り囲み、争っているようだ。
しかしその辺は見えないのでスルーして
「どうしたんだい? さん」
少しこわばった笑顔で大石がに話しかけた。
「来ると聞きました」
そんな大石には一言。
「あっ…」
そして大石は気付いた。
今日到着する人物が誰なのか察しがついた。
「さ」
大石がに声をかけようとした時、この別荘へ向かって歩いてくる影が見えた。
近付いてくると顔がハッキリとしてくる。
立海の切原、仁王、丸井。
六角の佐伯。
「なんかねー皆イロイロ忙しいらしくって来れる人だけ来たらいいと他校にはメルッとき
ました☆あといろいろ増えたらめんどいんで六角は佐伯だけにメルッときました☆」
とが笑う。
「やぁ久しぶり、ちゃん。それにしても凄いメンバーだな」
と佐伯が笑う。
「ちぃーす。暇なんで来ましたっと」
「なんか食いもんあるー?」
切原、丸井も到着した。
そして
「……久しぶりじゃね。」
仁王が笑った。
「……できれば会いたくなかったです」
「またまた」
仁王はスタスタとのところまで歩いて行くと
グイッと抱き寄せた。
「っ!」
不二が目を見開く。
バッチーン!!
割り入る間も無く、の右手が仁王の頬を叩いた。
「…………」
「…………」
誰も何も言えなかった。
どうしたらいいかわからなかった。
「ぷっくく……」
だけが必死に笑いを堪えて2人を見つめている。
以前、とはこんな会話をしたことがあった。
「どうしては敬語なの?」
「あーそれは……」
は深くため息をつきこう答えた。
「昔……迷子になって……その迷子になった先で知り合った子に……」
「うんうん」
は遠くを見つめ
「上手く人と付き合うには敬語だと言われ」
「まぁ合ってるわね」
「純粋だった私はそれを信じ、言葉は丁寧に。を心がけていました」
「偉いじゃない」
「ですが」
「なになに」
「その数年後…小学生の時、遠足先でバッタリその子の学校と遭遇し」
「へー」
「覚えていた私は声をかけました」
「うんうん」
「私の言葉遣いを聞いた彼はこう言いました」
「うん」
「……敬語使う女って男ウケいいだろ。お前将来いいホステスになれるぜ。と」
「あー」
「あれからずっと実行してるとはお前もスゲェな。と」
「あー」
「男たらしこむの巧いんじゃねーの。と」
「全然うまくないけどね☆」
「……。ソレを聞いてた周りの子達がドン引きですよ」
「まーそうかもね」
「その後クラスの女子から1ヵ月ハブられました」
「あらーかわいそうに」
「そしていまだに敬語癖が抜けきれずこんな中途半端に口調になってしまったのです。今
度会ったら、会いたくないけど、会ったら怒りたいです。叩いてやりたい」
「まぁその気はわかるわー。アバズレ発言はムカツクわねー」
「……」
「ねー乾聞いてー!!」
「何だ?」
「ちょっ」
「ったらとある人に●●●●って言われたらしいよ」
「言われてないし」
「……」
「乾くん黙らないで嘘だから!!」
「で、誰に言われたの?」
「苗字だけ知ってるよ」
「だーれ?」
「ニオウって人」
「「……マジで?」」
「え? 知り合い??」
という会話。
「あんたのせいで私は」
「言葉、無理してる?」
「うっうるさいなー」
「いいと思うんじゃけど」
ムキーッとが仁王の背中を叩きだす。
「ええマッサージじゃ」と仁王が微笑む。
「で、あの2人は何なの?」
と不二がに問う。
「あー小学生の時の知り合いらしいよ。お互いイロイロ今はもう言われたくない過去知ってるらしいから。が迷子になって、すっ転んで溝に落ちて小汚くなったところを仁王に助けられて、そのまま隠れ家に連れて行ってもらって、泥でガビガビになった髪の毛を刈られ丸坊主になり、一緒に遊びまわり近所の家に爆竹投げ入れたり、親分子分の契りをかわして、帰り際に「親分からのご恩は一生忘れませんから」と号泣したこととか今となっては誰にも知られたくないみたいよ」
「―っっ!! 全部言ってるから!!」
ということでたぶんこれ以上人数が増えないだろうと思う合宿は10日目をむかえたので
した。
その夜
「もしかして仁王はの初恋の人……とか?」
「違います。断じて違います」
ムキになるをみて不二は少しおもしろくないなといった表情。
「あやしい」
「あやしくないですっ」
ムスッとした不二に
「不二くんっ」
名前を呼ぶとぎゅーっと抱きしめた。
「?」
思いがけないの行動に不二が固まる。
「やきもちやかないのっ!」
「……はい」
「でも、ちょっと嬉しいかも」
「」
「やきもちやかれるってちょっと嬉しい」
「……かわいいなぁ。もう」
「からかわないでくださっ……ふっ…ふじく…」
の抗議の声は不二の唇にふさがれて
合宿の夜はふけていくのでありました。
いったい私は何が書きたいのだろう(笑)
次は甘いの書きたい……な
無理かな……
ってか誰が出てくるのかさんざん引っ張って、そんな事書いてた事すら忘れて結局もういいやと仁王さんを出したとは言えない。
アコのうっすい記憶だと
『合宿編でジャマ者が欲しい』
と思っていたような…?
もういいや
というか仁王さんの口調とかわかんないよ…