なんつーか

もぉ

特撮みてる気分でした。


■初デート(後編)■


「よかったです。晴れです」

今日は日曜日vvちょたくんと遊ぶ日です。

「時間も大丈夫。5分前にはつきます」

はぁvv癒しです。この頃ずぅっと不二君が傍にいて空気が淀んでいたので、今日はちょたくんという空気清浄機で私は心を癒しますvvvv

そういえば本当にちょたくんと会うのは久しぶりです。
ちょたくんは氷帝のテニス部レギュラーですし、私も中3・受験生です。
家が近くても会おうとしなければ会えません。
哀しいです。

さん!」

唐突に呼ばれ私はその声に振りかえりました。

「ちょたくーんvv」

後からちょたくんが走ってきます。

「お久しぶりです。さん」
「うんvv」
「昨日は待ち合わせとか言いましたけど、家近いんだから迎えに行けばよかったと思って」
「あぁっゴメンねっっ」
「いえ、でもよかったすぐ会えて(微笑み)」

嗚呼!!!!!
このも感じさせない微笑!!!!!!!!
癒されますvvvv

さん?」

ちょたくんが心配そうに上から私をのぞきこみます。

上から……

「!!! 長っっ」

「? さん??」

人が成長するのははやいものですね(ホロリ)
ちょっと見ない間に長くなってます。

「なんでもないの。ちょっと親戚のおばさんの気分になっただけだから」

「(いつも思うけど少し変な人だよなぁ)」

「ねぇ映画なにみよっか?」

「(でも可愛い人だ)なんでもいいですよ。さんの好きなので」

「ホント?? うーん……今って何が上映してるんだろう(調べるの忘れてたわ)」

「映画館で決めます?」

「うん。そうしよ」

「こないな大人数で映画かいな?」

??

突如関西弁が聞こえてきました。

??

「映画館……寝るにはいい場所」

今度はほわーんとした声です。

なに?? なんですか???

「俺遊園地がいいっ!」

??????

「ドコだっていいだろ」



「あのさん」

ちょたくんの顔が困ってます。
何事でしょうか?

「……後ろ向いてください」

言われた通り後ろを向きました。

「?」

びっびっくりデス。
なんだかカッコイイお兄さんが4人立っています。

「この人達が俺の先輩です」




「はぁ…………えぇぇ??!!

「ナーイス反応や。えーっとちゃん?」
「はじめましてぇ、ジローでっす」
「俺、岳人。向日岳人」
「こらこらお子様は黙っときぃ」

この方達がちょたくんの先輩……。
ってコトは氷帝学園のテニス部。

なんといいますか

青学もそうですけど

テニス部ってムダに顔がいい人揃いすぎです。

特に某魔王様とか。


「ああっ」
タイヘンです。私、大事なこと(顔の良さをつっこんでて)忘れてました。
ペコリと頭をさげながら
「遅れ馳せながら自己紹介を。始めまして、です」
相手の名前を聞く前に自分が名乗っておかないといけません。

「(さん。ホント可愛いなぁ)えーっと先輩?」

「ナーイス反応や。ほんまに。俺は忍足侑士」
「ジローです」
「むか…」
「跡部景吾だ。よろしくな、

なんて気さくな方々なのでしょう。
皆さんいい人そうです。

「(ヤバッ……先輩達(特に跡部先輩と忍足先輩)さんのこと気に入っちゃった??)(しかもさん、「いい人達だ」な視線で先輩達のこと見てるよ!?)えーっと……その、先輩達も今日……」

「なんだ? 鳳(たりめーだろ。文句あんのか? アーン?)」

「いえ、なんでも無いです(どうして唯一の常識人である宍戸先輩だけが来てないんですか? 跡部先輩の策略ですか??)」


えーっと、たぶん今日は一緒に遊ぶのでしょうから
皆で6人になるのですね。

6人で映画というのは
やはり
…ビミョーですね。

「えーっと、皆さんは今日行きたい所ありますか?」

「ドコでもええで」
「寝れる場所」
「ゆーえんちーっ」
「そうだな……中学生らしく動物園にでも行くか?」

「(跡部先輩がマジメなこと言ってる?!)跡部先輩?」
「なんだ?(余計なことは言うなよ。言ったらツブス)」
「はは(滝汗)」

動物園……昨日も聞きましたね。その単語。

さん、動物園でいいですか?」

「えっ? うん」

――――後に後悔します。
    動物園を戦場にしてしまったことに。












電車を乗り継ぎやってきました動物園です。
何年振りでしょう??
懐かしいデス。

「うぉっ象だ! 象象!!」
「岳人、落ち着きぃ。なぁちゃんも言うてやって」
「スゴイです。象です。大きいです」

「象…どーでもいい。ちゃん、こっち…寝よ?」
「えっえと……寝るですか?」

「あー気にすんな。ソイツいつでもどこでも寝るヤツだから」

えっとこの方は確か、跡部さん。
テニス部の部長さん。ウチの手塚君のポジション。
同じ部長でもこうも違うものなんですね(手塚君もっと表情に変化をつけてください)

「なぁ、は男いるのか?」

跡部さんの顔が目の前にあります。
ついでに腰に手が回されています!(なんてことでしょう?!)

「///えと、いま…せん」

「(いても奪う気満々だけどな)じゃあ、俺と付き合わないか?」

「(跡部先輩????!!!!)(ダメです! さん騙されちゃダメですよぉっ!!)」

「……………………………」

今、もしかして

私、告白モドキされました????

「あの……跡部さん?」

「景吾」

「あの、えっと(困)」

景吾と呼べということでしょうか?
というか、あのえと
つきあう????

あああっ(グルグル)混乱してきました。








ピィッッ!!!!








突然高らかに口笛が響きました。

いったい何でしょ……う…………!!??

「あぁっ?!」

黒い鳥が跡部さんに纏わりついてます。

これは



ツバメッ!!!!!!!!!



「跡部さんっ大丈夫ですか?」

私は急いでツバメを追い払います。

「っんだ? コレ?」

跡部さんは不思議そうに飛び周るツバメを見上げています。


「ゴ……ゴメンナサイ(涙)」
「あ? なんでが謝んだよ?」

絶対・確実に・100%犯人はアイツです。

「さっきのツバメ……」

これはもう代わって私が土下座です。

「僕のに触らないでくれる?」

この声は……もしかしなくても

「アーン」

近くのベンチに腰をおろし、微笑んでいる人がいます。
もぉ見たくないです。
「はぁ(溜息)(怒)」

「お前、青学の不二?」

跡部さん少し言葉が足りませんよ。
正確には

青学の魔王・不二ですよ(ニッコリvv)(壊れ気味)

「そういうそちらは氷帝の跡部、だよね?」

ふふ☆
そこはかとなくブリザードが吹いてる気がします。

は思います。この2人絶対仲悪いゾ☆

、そんなのから離れてコッチおいでvv」

不二君が微笑みつつ自分の膝の上をパンパンしています。

「イヤ(即答)」

、おんな女男ほっといて俺と遊ぼうぜ?」

跡部さんが両手を広げています。
どちらかというと

「……ハイ」

こっちがいいです。むしろ

「ちょたくんがいい」

私は跡部さんというか、ちょたくんに引っ付きました。

さん///」

そのままキッと不二君を睨みます。

「……どうしてココに不二君がいるんですか?」

が心配でね(もう悪い虫が傍にいるし)」

「つけたの?」

「妖精がね」

「(……ツバメか!?)はぁ……ちょたくんゴメンね」

こんな変なのがついて来ちゃって。

「跡部さんも忍足さんも向日さんもジローさん……ジローさん?」

いません。ジローさんがいらっしゃいません。

「ジローならどうせそこらで寝とるやろ」
と忍足さんが仰いますが

心配です。

そこはかとなくイヤな予感がします。

「海堂」

不二君がパチンと指を鳴らしました。

海堂君??

巻き込んだんですか??
可哀想に……

「…………ふしゅー(凹)」

不二君に呼ばれて(?)海堂君が泣きそうな顔で出てきました。

スゴイ……ビミョーな……笛ですか? を持ってます。

すごく見たことある笛です。

テレビとか本とかでインド人が吹いてる笛。

ピーヒョロロで壷からヘビが出てくるアレっぽいです。



海堂君=マムシ
ってことですか??

海堂君、不二君に言われたからって(涙)

「海堂(にっこり)」
「…………っす」

ゆっくりと海堂君が笛を咥えました。目尻に光るものが見えます。嫌なら断ればいいのに……

ゴメンナサイ。わかってます。魔王には逆らえませんよね…(ゲッソリ)

「ピーロピーロピロロー♪」

海堂君が笛を吹くと

「!!!!!」

ズンドコドコド。ズンドコドコド。

ヘビです。軽快なリズムに乗ってヘビがドコからとも無く現れました。

「僕の新しい妖精だよvv」

不二君が微笑んでいます。

アナタの妖精ならアナタが世話して、他人に迷惑かけんなよ。
と心から思ってしまいました。

「ジローッ!」

向日さんが顔を青くして跳んでいます。

どうしたのでしょ……………!!!!

「ジローさんっ」

さっき出てきたヘビ達にジローさんがかつがれてます。
ヘビにうもるジローさんです。
…寝てます。
こんな状況でジローさんは寝てます!!

「ふふ不二君っジローさんを離して下さい」

「酷いなぁは。僕が芥川に何をしたって言うの?」

してるでしょおっっ(怒)


ブチッ


何かが切れたような音がしました。

「不二」

スッゴイ怖い声です。

この声の持ち主は跡部さんです。

怒るのは当然です。大事なお友達がヘビのなかにいるのですから!!

は俺の女だ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの・・・・・・

跡部さん??

「何、馬鹿なこと言っているの? が誰のモノだって?」

「俺だっつってんだろ。アーン」

パチン

跡部さんが指を鳴らします。

「うぁっ」

向日さんが脅えます。

「…樺地ロボ発進」

忍足さんが呟きます。

樺地ロボ??

「……ウス」

どこからともなく大きな男の人が現れました。

そして不二君サイドからは……ヒグマ……


絶対零度。

この状況を言葉で表すなら絶対零度。

サムッそしてコワッ!!

「青学の魔王と」

びっくりです。気付けば隣に青学テニス部レギュラー勢揃いです。

手塚君は眉間に皺をよせ
大石君は胃を押さえ
菊丸君はタイヘンタイヘンと叫び
河村君は菊丸君を宥め
乾君は「いいデータがとれそうだ」とか言ってて
桃城君は海堂君を可哀想と見つめ
越前君はファンタを飲みつつ傍観しています。

「氷帝の帝王」

反対隣には氷帝のレギュラーさんです。

何か面白そうに見つめる忍足さん
タイヘンタイヘンと跳ぶ向日さん
呆然とするちょたくん。

「鳳、そっちも大変だな」

手塚君がちょたくんに言いますと

「そちらも」

ちょたくんは苦笑気味に答えました。


今、目の前はスゴイコトになってます。


魔王vs帝王



言葉では語れません。

特撮です。

スゴイです。

不二君の魔力に対抗できる人っていたんですね。


っーかなぜジローさんは魔王と帝王の一番近くで眠り続けられるのですか?




あぁ
忘れてました。

動物園の園長さん、飼育係さん、動物さん。
ゴメンナサイ。

本当にゴメンナサイ。

ここ

あの2人のせいで

動物園じゃなくなりそうです…




壊れた物の請求は全額不二君にしてくださいね……






















+++月曜日+++

青学に伝説が生まれました。

「近寄らないでください。アナタなんか大っっ嫌い」

私の一言。



これが青学、恐怖の1週間の始まりでした。












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デート? とツッコミたいです…。
なにやらタイヘンなことになってます。
不二様ますます人間離れしてるし…
ドリームじゃないよねぇ…コレ……

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