「かーちゃん。とーちゃん」

私は両親に訴えました。

「私、転校したい」




■青学恐怖の1週間■


「大っ嫌い」

と言ってやりました。
というか言わずにはいられなかったのです。

魔王なら何をしてもいいってワケではありません。

むしろ、魔界に帰れ!!

私は今回は本気で怒ってます。

あの日

戦う二人に感化され、動物園の動物達は狂暴且つ獰猛になり

子供は泣くし、飼育員さんも怯えるし……

一般の方々が淀んだ空気にやられるし、雷は鳴り出すし

まさに
地獄絵図

ははは(笑)

サイッアクッッ!!

私、まだまだ怒ってます。









「渦巻く黒いオーラ(胃がイタイ)」
「不機嫌100%だにゃ……」

の『大っ嫌い』発言がそうとうこたえた不二君はつねに開眼。
つねに魔王。

よーするに、スネてます。

「おおいしぃ(涙)コワイにゃぁ」
「ムリだよ。俺にはどうしようもできない」

そう――
不二君をいつもの人間の皮を被った魔王に戻すにはどうしてもの力が必要なのですが『大っ嫌い』と言うだけ言うと姿を消してしまいました。

こうなるとをどうにか説得して不二を人間に戻そう計画は一向に進みません。

テニス部員はただただ自分に害が及ばぬよう祈り、祈り、祈り、過ごすしかないのです。


「スミマセンッ」


どこからか声がします。

「「?」」

大石と菊丸は辺りをキョロキョロと見まわすと柱の影に1年堀尾が手招きをしています。

「堀尾?」
「わーっ言っちゃダメっす! 事は隠密にと乾先輩に言われてるんすから!!」(小声)
「隠密?」
「乾先輩からの伝言っす。『不二に悟られぬよう部室に集合』との事です」

堀尾は言うだけ言うと逃げていった。

大石・菊丸は嫌な予感を感じつつもコッソリと部室に向った。




「お前達が最後だ」

部室に入ると乾が言った。
どうやらこれで全員集合らしい。

「乾?」

大石は驚いた。
部室の床に陣が描かれている。

「不二の妖精に聞かれないように結界をはった」
困惑した大石に手塚がアッサリ言う。

手塚、陣描けるようになったんだな……(ホロリ)

副部長は心から部長を尊敬した。


「今から言うことをよく聞いてくれ」

乾がノートを広げ皆を見まわす。

「もしコレが実現したら、青学はどうなるかわからない」

一同に緊張が走る。

が……転校を望んでいる」

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

その一言は野菜汁よりペナル茶より青酢よりも強力で皆が一瞬、お花畑を見た。

「そそっそんなことになったら」
「不二は(恐怖)」
「人間であることを放棄しそうっすね(もうしてるけど)」
「結果、一番被害を受けるのは」

「俺達!!!!!!!!!」


ガシッ


8人の心が一つになった!!

(先輩)を説得しよう!!」

そう誓った。














その日のテニス部は
青学の伝説となる。

「…………」

無言・無表情でボールを打ちつづける不二。
しかも本気で。

1年・2年・3年・レギュラー全員に非情に討ち続ける。

顔や体を狙って。

不二のボールから逃れた者は「走れ」という不二の一言により延々と走り続けている。



「死ぬ」
「このままじゃ絶対死ぬ」

部員が不二から遠く離れた所で呟けば


ドピシャーンッッ!!!!


途端、不二の手先(妖精)によって沈められた。


全校生徒は思った。

アレは誰だ?! 不二の皮を被った悪魔だ!!

この日、青学に「魔王」が本気で降臨した。













「バカなこと言わないの」

転校したいと言った私にかーちゃんは即答した。

かーちゃん。青学には魔王がいるんだよ。

そのうち魔界まで出現しちゃうんだよ(思い込み)

私、普通の生活に戻りたい。

「かーちゃんのバカバカバカッ!!」

こうなったら家出して、遠くに言ってやる。

ばーちゃん家に言って、田舎の中学生になってやる。

「もっと具体的に言わなきゃわかんないでしょ。転校先は氷帝、不動峰?」

かーちゃんは言った。

「は?」

「だから、転校したいんでしょ? そぉねぇ氷帝だったら長太郎君もいるしvv」

「かーちゃん」

「それに氷帝の制服可愛いし☆」

「かーちゃん(いいの?)」

は自分の母親に疑問を抱いた。












「ダメ」





随分と間があって父が口を開いた。

「お父さんっ氷帝の制服可愛いからいいじゃない」
「ダメ。氷帝は遠いし」
「そうでもないわよっ」
「青学の制服だって可愛いだろう」
「でも娘にはいろんな制服着させてあげたいじゃない!」
「じゃあ氷帝の制服買えばいいだろう」
「……それもそーね。やっぱり、転校却下。手続き面倒だし」

あんたら……(呆)
は自分の両親に心から疑問を抱いた。
















「…………大石、顔がやつれてる」
「英二も……な」

部活が終わると皆一様に顔がかわっていた。

やつれ、そして疲れていた。

このままじゃ明日確実に誰か死ぬ。

「……助けを呼ぼう」

誰からともなく言い出した。

彼等にとって魔王に対する存在は

女神・

しかいなかったのである。













ピーロピーロピローピー♪

の携帯が鳴った。

ディスプレイには未開封メールが数通たまっている。

「?」

開いてみると

大石秀一郎
『助けてください。青学に魔王が降臨し、死者が出そうです。どうか助けてください。』
菊丸英二
『まだ死にたくないにゃー(T□T)―っ助けてーっっ』
手塚国光
『力を貸してほしい。』
乾貞治
『データでは対処できない。』
河村隆
さんにまた迷惑かけることになるけど、助けてくれないかな?』
桃城武
『助けてくださいっす』
海堂薫
『…………お願いします』
越前リョーマ
先輩しかいないっす』



みんなっ!!


の目から涙が溢れる。

可哀想! 可哀想過ぎる!!!!

そして一斉返信した。

『私はもう関りを持ちたくありません。ご自分で対処してください。ちなみに学校に行けば強制連行で不二君の所に連れていかれそうなので学校を暫く休みます。家に押しかけて来たりしたら訴えます。
あしからず(・_<)-☆   vvvv
最後に一言。ガンバッテ』









そのメールを見たテニス部員は灰になった。



















「おはよーございます」

少しだけ怒りが収まったが学校に出てきたのは『大っ嫌い』発言から1週間後の月曜日。
は驚いた。クラス全員から
「女神!」
と叫ばれたのだ。

「えっ?」

はワケがわからずワタワタしていると

さん……やっと来て…………くれた……んだ」

か弱い・か細い声がします。

「っ!!」

その声を発していたのは大石秀一郎らしき人

髪型が大石なのだが

顔・体は痩せこけ、干からびている。

「大石……くん??」

「はは……そうか。痩せたから……な」

「えーっと……どうしたのですか?」

「…………きかないでくれ」

「(もしかして)……不二君?」

ビクッ

と大石君だけでなくクラス全員が一気に青ざめました。

これは……

「英二と、タカさん、海堂が今入院…………手塚がノイローゼ気味で、乾も…………越前は登校拒否。桃城は家出したよ」


なにやら大変なことになってます(滝汗)


「一般生徒にも被害が及んでね(邪気にあてられたり)学級閉鎖しているクラスもあるよ」

「あの……」

さん、そろそろ助けてくれないかな」




ここで

イヤ。

とか

拒否したら、青学……どうなるかわかりません



「あの……助けるって………どうすれば……いいのでしょおか??」

ここはもう言いなりになるしか道はないです。

「不二と仲直りして」


……
それで学園が救われるなら……


「はひ」










私は勇気を振り絞り6組をのぞきます。

誰もいません。

これは

学級閉鎖です!!!!


どうしましょう?



!」

この声はっ

「不二……君」

ビックリです。驚きです。
不二君が5組の教室から飛び出してきました。

6組が閉鎖したから5組に混ざっていたのでしょうか??

「………………」

????

なんだか不二君、元気がないみたいです。

「あの……」

顔色も悪いですし

「不二君、大丈夫ですか?」

心配です。

「……まだ、僕のこと『大っ嫌い』?」

思いもよらない言葉でした。

そしてソレを聞いて私は全てを理解しました。

『大っ嫌い』→怒る(スネる)→やつあたり→今の惨状

青学崩壊の危機に陥れたのは私デスカ????

ゴメンナサイゴメンナサイッッ
皆ごーめーんーなーさーいーっっ(土下座)

?」

「……『嫌い』」

「…(凹)」

「『大っ嫌い』じゃないけど『嫌い』」

「それって」

「少しだけ昇格」

「『好き』じゃない?」

「いつもの不二君(人間の皮を被ったら)なら『普通』」

ふわって不二君が笑いました。

おおおっ!!!!

周りから歓声があがります。

どうやら危機は去ったのですか??

私は不二君に人間の皮をかぶせることができましたか??

とりあえず、不二君が笑ったからヨシとなるでしょう。






次の日には入院組も退院し、手塚君と乾君のノイローゼも緩和され、越前君は学校に来てくれて、桃城君は旅から帰って来ました。

いつもの青学に戻りました。



と思っていたのですが

サイッアクです。


あの一件(不二君と仲直り)のせいでレッテルはられました。

『不二周助とは学校公認のカップルvvvv』

だとよっ(怒)

、未だに転校考えてます。










***レッツ反省***
 この2人関係が進んでるんだか後退してんだか…(汗)
 それよりなにより甘くないっ!!
 
この2人は甘々になるんでしょうか??

 読みなおして思ったんですけどさんが
 どんどん強く・たくましく育っていますね……
 初期では『女の子らしい子』って設定だったのに……