青学の洗濯機は今時珍しく二層式ってヤツで。
「そろそろ古いし替え時かな」
ってスミレちゃんと話してたら
ンガゴッ
かご四つ分も洗濯物が残ってるのに
突然洗濯機が他界してしまいました。
■洗濯板と後輩と■
「どうしましょう」
涙目で訴えると
「仕方ないねぇ、他の部の洗濯機」
「借りれるとしてもその部の洗濯が終わってからですから夜になっちゃいます」
「じゃあ洗濯機を買うまで」
「ほっといたらカビとかはえる、虫がわく」
「じゃあ……」
「やっぱ、手洗い……ですか??」
「洗濯板が……職員室にあったから持ってきてあげるよ」
「うぇー」
今日のマネの仕事はテニス部員よりもハードなの確実です。
数分後、スミレちゃんが昔懐かし洗濯板を持ってきてくれた。
「うへへ」
私は壊れかけた笑みを浮かべ、洗濯板とかごを引きずって手洗い場へ向った。
そこはテニスコートの目の前で恨めしそうに部員を見てやると
「どうしたんっすか?」
可愛い後輩、桃がフェンス越しに話しかけてきた。
「洗濯機が壊れちゃって……手洗いってヤツよ」
「うわぁ……タイヘンっすね」
「手荒れ必至だわ」
「……俺、手伝いますよ」
「ええ? でも練習」
「今コートあいてないっすから」
そう言うと桃が走ってやって来た。
可愛いヤツだvv
ざぶざぶざぶ
洗濯板で洗います、これがかなりの重労働。
ざぶざぶざぶ
「っい゛」
「どうしたんっすか?」
やっちまいました。
爪を指を洗濯板に擦り付けてしまいました。
なにげにイタイッ
「うわっ大丈夫っすか?」
「もーもー(泣)」
桃は素早く私の手を取ると水で洗い始めました。
「桃?」
「洗剤しみると痛いっすから」
「ぅぁっ///」
なっなんか
なんか桃がっっ
うあっその
手っ手が
変……デス。
上半分は水で冷たくて
下半分は……桃の手があって…………
熱……くて…………
「もももももっ桃っっ」
「なんっすか?」
「もっもう大丈夫だから。そそっその練習戻っちゃっていいから」
ダメ
「え? でもまだかご2つ」
これ以上一緒にいたら
「大丈夫っ」
たぶん私、変になる。
「そうっすか?」
「そうっす」
「じゃあ、行きます」
「……いってらっしゃい」
ヤバイ。なんかヤバイ。
不思議そうにテニスコートに戻っていく桃が5mくらい進んだトコで振りかえって
「なんかあったら言ってくださいね?」
「……うっうん」
「俺以外に頼っちゃダメっすよ?」
「……うっうん…………って、えっ??」
桃は笑うと走って行ってしまった。
えと
今の……は…………
えと…………
ヤバイ。
変になった……。
私、変。
「―っ洗濯は無事終わったかい?」
テニス部の練習が終わった頃、スミレちゃんがやって来て
「まだ残ってるじゃないか……??」
なんか言ってたケド
全然耳に入らなくて
「仕方ないねぇ。手塚!」
ただ顔がポーッと熱くて
「なんですか?」
「洗濯やっとくれ」
「……はい?」
「洗濯やっとくれ」
「……はい(なぜ俺が?)」
その日は終わりました。
帰り際に
「、明日は普通に戻っとくれよ」
ってスミレちゃんが言ったけど
たぶん
ムリ。
スミレちゃん、ごめんね。
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二層式の洗濯機ってこの頃見ませんね。
手間はかかるけど二層式すきだったなぁ。
うわー私、発言が若くない……
なんかオチがビミョウね。(いつものこと。)
はぁ(溜息)精進精進。
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