生まれて初めて書いたラブレターなるもの。
私は重大なミスを犯していることに気付かずに
手渡してしまった……

■恋文■

「てっ手塚センパイッここっこれ読んで下さい」

「ああ」


初めて交わした会話。
ドキドキした。


たぶん…絶対……断られるんだろうけど(部活命だし)それでも読んでくれるって言った。
私の手紙を読む為に時間を割いてくれる。
それだけで嬉しかった。



「手紙の返事はやはり手紙でだろうか?」
大真面目な顔で手塚は皆に問う。
「なに? 文通?」
「大石、どーせラブレターの返事だよ」
「そうなんすか? はーっっ手塚部長が」
部員全員が興味津々である。

「口で言われたことはあるが、手紙は初めてでな」
いつでもどこでも大真面目。さすが手塚国光。

「で、断るの? 受けるの?(ニッコリ)」
「…………(///)」

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

あの手塚が照れた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

部室内に嵐が吹いた……。

「わーかった♪ 相手って2年のちゃんでしょー」
「なっ菊丸なななっなぜ?」
「手塚が部活中に余所見する場合、その視線の先にがいる確立99%」
「いいっ乾!?」
って可愛いから2年で人気あるんっすよ」
「そっそうなのか桃城?」
「手塚が」
「その目はなんだ? 河村!」
「ふしゅー」
「海堂言いたいことがあるなら言え!」
「手塚も男だってことだよ」
「大石?!」
ちゃんのこと僕も狙ってたのに(くすっ)」
「ふふっ不二ぃ?!」
「まだまだすっね」
「何がだ? 越前」

手塚があたふたしている隙に
「これがちゃんからの手紙?」

不二が瞬間移動(宍戸か?!)にてからのラブレターをゲットしていた。

「ふふふふふ不二ぃ!!!!」
手塚が大慌てで奪い返そうとするが後の祭vv

「えーっとなになに…………カッ(開眼)」
そして不二がうずくまる。
何かを必死に堪えるように体を震わせながら手紙を大石に手渡す。

「え?」
受け取った大石も数秒後に撃沈。

それから河村、菊丸、乾、桃城、海堂、越前へと手紙は周り、ことごとく倒れた。

「どうした?」

手紙が手塚の元へと帰ってくる。

そして手紙に目を通す。

とくに変わったことは書いていない。

「ぶははははははは」
「くっはははははっっ」
「にゃははははは」

途端全員が笑い出した。
今まで笑いを堪えていたのだ。

「どうした??」
手塚はわけもわからず皆を見渡す。

そして、もう一度手紙を見た。


毛塚国光様

 想いを伝えたくてこれを書いています。
 部活に忙しいことも分かっています。
 なので、返事は求めません。

 好きです。

 この気持ちだけ受け取ってください。

 






!!!!!!!!!!!!!!!!!!




毛塚!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「けけっぷぷっ毛塚国光っっっ」
「ダメっすよ。ケヅカなんて…プーッッ」
「言わないでくれ、腹が痛い」

「はは」
もはや笑うことしかできない手塚だった。




――翌日。



は呼び止められ振り返った
そこにいたのは

「てっ手塚センパ……」

手塚国光だった。

手塚は無言でに封筒を手渡すと無言で去った。


「ななっなになになになに???」

はドキドキしながら封を開けた。

中には

自分の書いた手紙ともう1枚。

「??」

開いてみると

塚国光様
 
 想いを伝えたくてこれを書いています。
 部活に忙しいことも分かっています。
 なので、返事は求めません。

 好きです。

 この気持ちだけ受け取ってください。

 


「!!!!!!!!!!」
あっ赤ペン先生のごとく訂正された手紙。
「やっ……やってしまった(号泣)」

これはもう完璧嫌われたと、泣きながらもう1枚の手紙を開いた。

の気持ちはありがたく受け取った。
結論から言えば
俺ものことが好きだ。

しかし、今は部活に討ち込みたい。
引退するまで待っていてくれるようなら
付き合ってほしい。

勝手なこととは重々分かっている。
すまない。
これが今の俺の気持ちだ。

 手塚国光


「うそ……」

は何度も何度も手紙を読む。

「待ちます待ちますぅ」

何度も何度も頷いた。

そして

手塚センパイが部活引退したらもう一度告白しようと心に決めた。

今度はちゃんと『手塚国光様』と書いて。







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手塚先輩の毛……頭ってどうなってるんだろう?
触ってみたいvv
でも触ったら絶対
「グラウンド50周」
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