鳳長太郎と・ホワイトデーの出来事。


どうして誰も教えてくれなかったんですか?
バレンタインが彼の誕生日だということを。

バカバカバカッ!
私ったらなんとなく、ちょたくんは夏生まれっぽいなぁ。
とか思いこんでたよ!

だからバレンタイン、チョコしかあげてないよ。
お誕生日おめでとうの一言も言ってないよ。

もうっバカバカバカッ!








どうしても言えなかったんです。

愛しの先輩からもらったチョコを芥川先輩に食べられただなんて。
本当はすぐにでも言うべきだったんです。
俺の管理が甘いせいで食べられたって。
でも
言えなかったんです。
きっと心をこめて作ってくれたのに。
それを食べられただなんて!







だから出来る事なら1ヶ月前に戻って
バレンインをやり直したい。








バレンタインにお誕生日ができなかったから
せめて! と思って今更かもしれないけど
プレゼントを用意してみました。
でも…いつ渡せばいいかなぁ?







食べられてしまったけど
俺は食べることができなかったけど
お返しだけはしっかり用意してみました。
でも
お返しを渡すときに
「チョコの味、どうだった?」
とか聞かれたらどうしよう?
「おいしかったですよ」
って嘘をつくか? それとも食べられたことを素直に言うか?











「「あ」」


「ちょたくん」

先輩」



うっわタイミング微妙。








先輩その」
「ちょたくんっあのね!」

「「お先にどうぞ」」

二人して同じことを言うから二人して笑ってしまった。
「ちょたくん、お先にどうぞ」
「…じ…じゃあ……あのですね」

俺は持っていたプレゼントを先輩に手渡すと
「お返し…です」
はぎれが悪く笑った。
「ええ?? いいの? もらっちゃって」
それを見て先輩がすごく嬉しそうに笑うから
俺は黙っていられなくなって
「スミマセン!!」
思いきり頭を下げた。









いきなり謝るからどうしたのかと思ったら
「バレンタインのチョコ、俺の不注意で芥川先輩に食べられてしまいました!」
って言うんだもん。
びっくりした。
「じゃあ、ちょたくん食べてないの?」
「……はい」
「それなのにお返しだなんて……悪いよ」
「いえ! それは先輩からの気持ちに対するお返しで」
顔を真っ赤にして力説するからなんか可愛くて
「また今度つくってくるね」
「え?」
「チョコ。あとね」

私はちょたくんの大きな手にプレゼントを乗せると

「1ヶ月遅くなっちゃったけど、お誕生日おめでとう」








俺は幸せです。
バレンタインの件で先輩を怒らすこともなく
それよりなにより
誕生日を祝ってもらいました。
俺は幸せです。






その日の部室にて。

「芥川先輩、絶対俺のロッカーには近付かないでください!」
「酷いC!」
「なんなん? 今日もロッカーに大事なモン入れとるんか?」
「見せてミソ!」
「近寄ったら先輩でも一台入魂ですよ(睨)」
「1台って…この机かよ?!」












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なんかチョタくん違うなぁ。
犬さんvvってカンジのチョタくんが
好きだ。
これは…違う。
精進しろ私!
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