「ねぇ別れよう」

と周助に言ってみた。

今日は四月一日。エイプリルフール。

嘘をついてもいい日。

だから

こんなこと言ってみた。

けどすぐに

「嘘でーすっ。今日は何の日だ?」

そう言おうと思ってたの。


だから


「うん。別れよう」


こんなこと言われるだなんて

思っても無かったの。

「え?」

「お互いそう思ってたなんて、よかったよ。付き合いだしてまだ日も浅いし、お互い合わ
なかったってことで」

にっこり笑ってる。

「僕ももう好きな子いるし。…もうさんの方がいいかな? さんも好きな人
できたんだろう?」

…あんな嘘、つくんじゃなかった。

こんな風に終わっちゃうなんて

思ってなかった。

「いままで楽しかったよ。ありがとう。これから友達としてよろしくね」

友達なんて嫌だよ。

やばい。

涙でそう……


「これくらいでいいかな?」


ぽふぽふと頭を周助の手が撫でます。


「僕の気持ち、わかった?」


「え?」


「嘘ってわかってても、痛い嘘ってあるんだよね」


「うそ?」


「エイプリルフール。さっきが嘘ついたから仕返し」


「うそ?」


「…もしかして本気にしちゃった?」


「うそなの?」

ボタボタと我慢していた涙が溢れる。


「嘘だよ、僕がを嫌いになるはずないでしょう?」


涙が止まらない私を抱きしめて


「大好きだよ、


そう囁く。


そして
すぐ


「今日ってエイプリルフールだよね」


こんなことを言う。


「ホントはどっち? 今のも嘘?」

「今、何時かわかる?」

そう訊ねられて腕時計を見る。

12:01

「12時1分」

「エイプリルフールって午後は嘘ついちゃダメだって知ってた?」

















***反省***
たぶん、午後は嘘ついちゃダメだったと思う。
嘘ついていいのは午前中だけ…だったと。
記憶違いだったらどうしよう。