その日は雨が降っていて

買ったばかりの傘をさして雨を楽しみながら帰っていたら

公園の真ん中で傘もささずに空を見上げる、男の子が立っていた。

「?」

なにしてんだろ? とは思ったけど、そのまま通り過ぎることもできた。
けど、そうできなかったのは気付いてしまったから。
雨でいつもはクルンとしてる髪が落ち着いてる。
何故かはわからないけど、いつも笑顔いっぱいの顔が曇ってる。

でも
間違えようがない顔。


菊丸英二。


私の隣の席のヤツ。




私の好きな人。











■わたしの好きな人 1■











「英二?」






ポロッと名前を読んでしまった。






声に反応して、ゆっくりこちらを向く。






「やっほー






元気のない声。







思わず駆け寄って傘のなかに入れる。

「何してんの?! 傘もささないで」

「だいじょーぶ。だいじょーぶ」

「あんた酸性雨でハゲるわよ?!」

「それは困るにゃ」





無理して笑う顔。

嘘のつけない人だから、すぐにわかってしまう。





「どーしたの? なんかあった?」


ミニタオルを取り出して雨で濡れた顔や髪の水気を取る。



「わかっちゃう?」

「無理すんな。私と英二の仲でしょ」

「どんな仲にゃ?」

「席が隣どーし」

「それだけ?」

「友達でしょ?」

にはかなわないにゃ」




雨の降りつづける空を見上げて

英二はボソッと言った。





「たった今、フラレたんだにゃ」






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***反省***
短っっ!!
すっげえ短い。うわー(汗)
次から長くなるので。きっと。たぶん。
まだ続きなんとなくしか考えてないから…
どうなることやら……(滝汗)
これはゆっくり書いていこうと思ってます。
焦るととんでもない方向(悲恋とか)にいきそうなんで。