「いつになったらは僕のことを好きになってくれるかな?」
「は?」
■初デート(前編)■
部活前の部室にて唐突に不二が言った。
「ねぇ手塚、どう思う?」
「どうと言われてもな……(汗)」
「大石は?」
「(俺にふらないでくれよ)もっと、優しくしてあげたらどうかな?」
「なに言ってるの? 今でも充分優しいし、顔はいいし、世間体はいいし、 申し分ない男だよ。僕は」
「はは……(胃がイタイ)」
「一方通行の想いって結構キツイんだよね(ニッコリ)」
「(その微笑はなんだ!!??)」(全員の心の声)
「ねぇ、皆。そろそろ協力してくれない?」
「(それは脅し・脅迫だ――――!!)……はい」(全員)
「(ブルブル)さむっ。さむいです」
ポカポカ陽気の土曜日だというのに寒いデス。
これは……
虫の知らせ?????
「また、不二君が何か企んでやがってますのこと?」
「きょっ協力と言われてもな……(これ以上を不幸にしていいのか人として)」
パチンッ
高らかに不二の指が鳴る。
「呼ぼうか?」
「(妖精か!!!!)あっあの」
「海堂、いい案ある?」
「先輩を喜ばせたらどうっすか?」
「喜ばす? 例えば?」
「データによるとの好きなモノが……『ところてん』『ウマイ棒』『生姜』となっているが」
「(さん……なぜ?)プレゼントとかしたらいいんじゃない?」
「いまいち」
「(自分で考えろよ)デートにでも誘ったらいいんじゃないんすか?」
「越前、さすが青学の柱候補だね。そうするよ」
「(ホッ)明日の日曜は部活ものないし、楽しんでこいよ」
「なにいってるの? 全員集合。協力(にっこり)」
「(脅迫!!)はい」(全員)
ビョンゴビョンゴベラボッケー♪
この不気味な着メロは……
『vv』
この声は、爽やかを演じつつもそこはかと漂う黒の気配!
「ふぢくん」
『明日、遊ぼ』
「イヤです。忙しいです。ムリです」
『待ち合わせは9時でいい?』
「人の話は聞いてください。拒否です。拒絶です」
『中学生らしく動物園にでも行こうか?』
「(こっの魔王めが!)ですから日曜はダメなんです。先約があるんで」
これは本当です(先約なくても断りますが)
『相手、ダレ?』
「幼馴染です」
『ふーん。ダレ?』
「知らない人ですよ?」
『ダーレ?』
「ちょたくん。鳳ちょうた……」
あ。
しまったぁぁぁぁぁぁぁぁ――――!!!!!!!!
なななっ名前バババレただけで
ちょたくんのトコに使い魔なんか飛びませんよね?????
ダメです。ダメです。
ちょたくんを魔王の手から守らねばなりませんっ
「……大 鳥太郎くんという1コ下の幼馴染でして、
明日は久しぶりに一緒に映画を観に行くのです(滝汗)」
『ふーん』
「そそっその……えへへ」
笑ってごまかす!
『鳳って氷帝の?』
「…………ちちちちちちっ違いますですよハイッ。
鳳ではなく、大くんです」
ななななななんかコワッコワイです。
『大くんねぇ……じゃあ日曜はダメなの?』
「(……ごまかせた?)はっはひ。久しぶりに会うので」
『うん、わかった。じゃあ、また今度ね』
「…………」
『今度ね』
「……はひ」
ちょたくんたょたくんゴメンナサイ。
もしかしたらアナタのコトが魔王に知れたかもしれません。
でも大丈夫よっ
お姉さんが守ってあげるから!!
「乾」
「はうまく誘えたか?」
「(ニッコリ)氷帝のデータ、特に鳳長太郎のデータ見せてくれる?」
「(誘えなかったんだな)鳳?」
「弱点とか弱みとか、過去に犯罪とか犯してない?」
「(犯罪……ないだろう。普通)個人データはコレだ」
「ありがとう(ニッコリ)」
「(面識は無いが哀れ鳳)礼にはおよばないよ」
ピッピッーピッピッー♪ピッピピー♪
この愉快な音楽は私のケータイの着メロです。
ディスプレイには『ちょたくん』
「もしもし?」
『さんですか? お久しぶりです』
「ちょたくーんvv」
『どうしたんですか?』
「(癒されるvv)なんでもないよ、明日どうしよっか?」
『さんどうせ寝坊するでしょうから駅前に11時くらいでどうですか?』
「寝坊って失礼ねっ(プンプン)」
『ははっすみません』
「11時ね、わかったvv」
『あの、さん』
「なぁに?」
『明日会うことがですね、その……』
「うん?」
『先輩にバレまして』
「先輩ってテニス部の?」
『ハイ……それで明日、おもしろがってついてきちゃうかも……』
「うん」
『うんって、いいんですか?』
「うん。ちょたくんの先輩なら大歓迎vv絶対いい人っぽいし」
『(すみません先輩達。思いっきり否定したくなりました)』
「じゃあ、明日ね。おやすみなさい」
『はい。おやすみなさい』
なんだか明日は楽しくなりそうです。
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いいわけはたーんと後編でします。
そりゃもうたくさん。
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