「たろちゃん、はぴばすでー」

「その呼び方は止めてくれないか?」

「やだっ恥ずかしいの? 歳に似合わないから? やっぱ誕生日を迎えると急に老けこむ
もんなんだねぇ」

「……」

「うそうそっ冗談☆」

毎日と言っていいほど音楽室で行われる密会。
榊太郎と私、は特別な関係。
自然とこうなった。

で、今日は愛する彼の誕生日。
また ひとつ 歳の差が開くことに少々不満はありますが今日はとっておきのプレゼントを
用意してみました。
たろちゃん絶対ビックリするはずvv

「たろちゃーんピアノ弾いてvvはぴばすでの歌」
「自分で祝うのか?」
「いいじゃんいいじゃん」
「……仕方ないな」

苦笑しながらピアノに向う。
その隣に立って
ピアノの音が流れ出すと唄った。

「はぴばすで たろちゃーん はぴばすで たろちゃーん
 はぴばすで こっれあげる〜♪
 はぴばすで とぅーゆー」

どーせ私は音痴です。ついでに英語の発音もダメダメです。
しかもビミョーに替え歌です。

だから、たろちゃん笑ってます。
笑いながらプレゼントを受け取りました。

「返されても、受け取らないから」

中を見る前に釘刺します。

「今、ここで開けるべきか?」
「どっちでもいいよ」
「…開けよう」
「どうして?」
「変なモノだったら、困る」
「うわっヒドッッ!」


ゆっくり開けると中から出てきたものは三つ折された紙。

カサッ

と乾いた音をたてて広げる。


…」

「びっくりした?」

「これは」

「ぷれぜんとvv」


たろちゃんに渡したのは
署名済み、捺印済みの『婚姻届』

「まぁようするに未来永劫私をあげるってことでvv」

バカにされるかと思ってたんだ。
ギャグとして流されるって。

でも

たろちゃんはソレを内ポケットにしまった。

「たろちゃん?」
「…返すはずがないだろう」

「うわ…たろちゃん、犯罪。私、中学生」
……」
「じょーだんだって! なくさないでね」
「ああ」




彼の誕生日にふたりだけの秘密の婚約。
こんなのも
悪くない。





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榊太郎(永遠の43)誕生日おめでとうございます。
『婚姻届』ってアレだよ。私が100の質問で回答した
答えだよ!(爆笑)

最初この話は全く違うモノでした。
ベースが似てるドリが多そう
ってくらいありきたりな話だったので
書きなおしてみたら、コレだよ(汗)
その話を読みたいって方はココからどうぞ。
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