「行きます、やります! 予定ですか? そんなものどうとでもします! 必ず絶対何があっても行きますから!!」
珍しく力強い声。
は燃えていた。
明日から夏休みというその夜、は電話を切って微笑んだ。
■夏休み・初日■
「あら、寝ぼけてるの? 今日から夏休みでしょ? 制服なんか着ちゃってドコ行くの?」
夏休み初日の朝、部屋から出てきた娘に母がこう言った。
もちろん娘は寝ぼけているのではない。
「ちょっと」
うふふ。と娘は笑った。
そんな娘に母は言う。
「今日ちゃんとお買い物に行くんじゃなかったの?」
と。
「……あ」
娘は気付いた。
そういえば、そうだったな…と。
時計を見る。
午前9時。
うふふ☆まだ起きてないや(笑)
今がチャンスとばかりに
『ごめんなさい。今日、何よりも大事な急用が入っちゃったので、お買い物には行けません。ごめんなさいっ! ではっ』
とメールを打って送信すると
ピッ
と、ケータイの電源を落とした。
「ってことで、行ってきます!」
は元気に家を飛び出した。
それから3時間程経った午後12時。
やっとが目覚めた。
そして
「…にゃろめ」
ケータイを床に投げ捨てた。
「……いい度胸だわなぁ……」
ちなみにさんは寝起き最悪機嫌悪いです。
彼女を無理矢理起こすと自分が永遠の眠りについてしまうので注意せねばなりません。
とりあえず身支度を整えたさんはフラッと家を出ました。
向かった先は
乾貞治の家。 そんなことはどうでもいい。学校の様子を伺う。